秋田大学 理工学部 2023
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革新材料研究センター(Research Center of Advanced Materialsfor Breakthrough Technology)は、前身となる旧・附属理工学研究センターで実施していた材料・素材に係わる競争力のある特色ある研究を基盤として、共同研究や競争的研究プロジェクトを通して、次世代の革新技術の創製に資する、高機能材料・素材の探索・合成、評価・検査技術、デバイス応用・産業応用、に至るブレークスルーを生み出し得る包括的な研究を展開し、企業の事業育成に資する研究を実施することを目的として平成30年度から活動を開始しました。専任教員を中心として、研究科内の物質科学専攻や数理・電気電子情報学専攻などから兼務教員も参画し、大型の競争的資金の獲得に向けたプロジェクト型の研究を推進します。 当センターでは裾野の広い自動車関連産業に着目して、脱炭素関連部門(研究テーマ:高効率水素製造・貯蔵および運搬・利用、の各手法の開発【専任教員:福本倫久】)と、デバイス関連部門(研究テーマ:高機能強磁性・強誘電材料薄膜の探索および高品位作製とその低消費電力・高性能デバイスへの応用 〈写真1〉)と、素材再生関連部門(研究テーマ:自動車排ガス触媒中に含有する希少金属の効率的な分離剤の開発 〈写真2〉)を設けて研究開発を行っています。 また、当センターでは、複数の学内共通機器等〈写真3〉〈写真4〉を保有していることもあり、学内の研究者間連携の推進による研究の多角化にも取り組んでおります。地球温暖化が大きな問題となっています。温室効果ガスを排出する化石燃料に依存しないためには他のエネルギー源に転換する必要があります。そこで注目されているのが水素です。高効率で水素を製造し、大量の水素を貯蔵および運搬し、火力発電で化石燃料に代わり水素を用いることによって脱炭素社会を確立することができます。この水素に関する一連の研究を行っております。http://www.gipc.akita-u.ac.jp/~rces/兼務教員の研究課題一覧◎ハイパーブランチポリマーの合成と機能化◎特異的イオン対形成を利用した白金族金属のリサイクル◎金属複酸化物を利用した環境浄化材料の開発◎リチウムイオン電池用正極活物質の表面改質技術の開発◎超高エネルギー密度の長寿命リチウムイオンキャパシタの開発◎次世代磁気メモリ開発に向けたスキルミオン物質探索◎ナノスケール磁気イメージングの開発と磁気デバイス評価◎磁性体を用いた次世代通信機器用デバイスの開発◎液晶を用いた革新的高機能メカレスレンズの開発◎量子閉じ込め効果を利用した新規蛍光体材料の開発 そして、国内外から招聘した客員教員や博士研究員も在籍しており、留学生も積極的に受け入れており、国際色豊かな研究環境にあります。 関連する学科/コースの学部学生の卒業課題研究や、関連する専攻の大学院生の修士・博士論文の指導も行っており、研究指導を通して教育活動も行っています。 当センターは、研究科の特色および魅力を世界に発信することができる拠点として、研究開発を推進していきます。〈写真1〉クリーンルーム内に設置されている超高真空対応薄膜作製装置を用いた高機能薄膜試料の作製風景〈写真2〉ドラフトチャンパー内に設置されている実験装置を用いた新たな希少金属分離材の開発風景〈写真3〉電界放出型走査電子顕微鏡を用いた各種高機能材料表面の高分解能 (ナノメートルスケール) での微細組織観察の実験風景〈写真4〉誘導結合プラズマをイオン源とした質量分析装置を用いた各種素材中の超微量無機元素分析の実験風景専任教員:福本倫久 准教授Faculty of Engineering Science Akita University42附属革新材料研究センター

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