秋田大学 CAMPUS GUIDE BOOK 2023
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システム共同研究センターを開設しました。こういった秋田大学の研究を世界が注視しております。さらに、IoTやAI、ロボットなどの第4次産業革命の中心となる技術を視野に入れた理工学教育の改革とその分野をリードできる研究体制を構築しているところであります。 医学部においては、世界に発信できる教育研究の成果と地域医療への貢献が挙げられます。医師国家試験の合格率は例年、全国の医学部でもトップクラスにランクされており、この成績こそきめ細やかな教育の証左といえましょう。保健学科も、人を支える挑戦を続け、秋田県の健康寿命延伸に多大な貢献をしています。医学部全体が他の学部と協力しながら、高齢者医療先端研究センターでは学際的に高齢者の問題に取り組み、自殺予防総合研究センターでは、同様に学際的に自殺予防を総合的に研究し、若者から高齢者までの自殺予防に貢献すべく活動を開始いたしました。 このような教育研究活動における地道な努力が少しずつ実を結びはじめ、「THE世界大学ランキング日本版2022」において55位にランクされるなど、着実に進歩していると感じている次第であります。 一方、世界は刻々と変化しており、我が国ではSociety 5.0への対応が叫ばれているところであります。こういった新しい社会へ十分に順応できる学生を輩出することが喫緊の課題と考え、各学部においてこの先10年の未来を見据えた学部改革を開始いたしました。データサイエンス、AI、DX等近未来の変革に向けた対応を考慮し、3年前から教養基礎教育において、こういった分野の教育も文系、理系の学生を問わず全学生に実施しています。さらに、充実した人生を送るためには、人間力の形成が、とりわけ重要と考え、2021年度から教養基礎教育において道徳教育を導入し、すべての学生が学問のみならず人間としていかに生きるべきかを真剣に考える機会を作っています。このように、不確実な未来に向けて、自信を持って羽ばたいていける学生の教育、今、これが最も求められているものと認識していることから、全ての教職員が学生にきめ細やかな教育環境を提供し、知的好奇心を育んでいけるよう努力してまいりました。 新型コロナ感染問題やウクライナ問題によりこれからどのような世界が訪れるのか想像だにできませんが、秋田大学は、これから起こりうる未知の世界をいち早く察知し、守らなければならない伝統はしっかり維持しつつ、変化させなければならないものに対しては速やかに対策を講じるよう頑張る所存であります。 卒業生の就職状況をご紹介いたしますと、全学生の就職状況は、過去5年間はほぼ100%で推移しており、日経HR「価値ある大学2018年版 就職力ランキング」において、企業が選ぶ「採用を増やしたい大学ランキング」で秋田大学が堂々の全国一位に選ばれました。卒業生の「行動力」、「対人力」が高く評価されたものです。これらは、卒業生自身の努力の賜であることは言うまでもありませんが、それをバックアップする土壌が秋田大学にあることの証明であると、誇りに思っている次第です。こういった就職状況は2021年度も維持できておりますが、新型コロナウイルス問題やウクライナ問題が終息後は、未曽有の就職氷河期が到来する可能性が大であります。秋田大学で学んだ学生さんたちが通常通りの就職が可能になるよう、大学改革も含め、教職員が一丸となって頑張る所存でありますので、どうぞ保護者の方々には安心して秋田大学をご子息たちに勧めていただければと思います。最後になりますが、秋田大学では、ウクライナの学生、研究者支援に積極的に取り組んでいます。ウクライナで修学、研究環境を取り上げられた学生、研究者をできるだけたくさん受け入れ、日本人学生と同じように教育、研究環境を提供し、本当の意味のグローバル化に努めていく所存であります。 皆さん、秋田大学生となり、こういった思いを継承してください。限りない可能性を秘めた未来を、秋田大学でさらに育ててください。「志」ある学生さんもそうでない学生さんも、是非秋田大学に来てみてください。その真価がわかると思います。 私共は春の出会いを楽しみに待っています。秋田大学長 山本文雄33

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