秋田大学 令和7年度 高校生のための研究者・研究内容紹介
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所属(学科・コース・講座等)医学科 生体防御学講座医学科 生体防御学講座医学科 代謝・内分泌内科学講座医学科総合診療・検査診断学講座医学科総合診療・検査診断学講座医学科総合診療・検査診断学講座医学科 放射線医学講座医学科 放射線医学講座医学科 放射線医学講座医学科 放射線医学講座教員名(職名 氏名)教 授 石井 聡講 師 安田 大恭教 授 石井 聡講 師 安田 大恭教  授 脇 裕典講  師 森井 宰助  教 佐藤 雄大教 授 植木 重治病院教授 嵯峨 知生准教授 守時 由起教 授 植木 重治病院教授 嵯峨 知生准教授 守時 由起教 授 植木 重治病院教授 嵯峨 知生准教授 守時 由起講 師 和田 優貴助 教 髙木 倫子講 師 和田 優貴助 教 髙木 倫子講 師 和田 優貴助 教 髙木 倫子講 師 和田 優貴助 教 髙木 倫子研究テーマ脂質が血管やリンパ管の形成を促すメカニズムの解明体の中で働く新しい脂質の探索糖尿病、肥満やその合併症の診断と治療に関する研究アレルギー性炎症の研究薬剤耐性菌と感染症に関する研究自己免疫性肝疾患の研究手術できないがんを治す:局所進行癌に対する放射線治療を用いた集学的治療の研究がんによる身体のつらさを和らげる:緩和放射線治療に関する研究身体にやさしいがん治療の開発:高齢者に対する低侵襲放射線治療の研究ピンポイントで放射線を当てる:3次元画像を用いた放射線治療に関する研究研究内容脂質は最大のエネルギー源として知られていますが、脂質の中には細胞を活性化させるシグナル分子として働き、疾患の発症や増悪化に関わるものも存在します。一方、血管やリンパ管の形成異常は悪性腫瘍(がん)や血管奇形、リンパ浮腫など様々な疾患を引き起こすことが知られています。私たちはマウスや細胞を用いて、血管やリンパ管を形成を促す脂質の研究を行っています。この研究で明らかにした分子メカニズムを応用して、血管やリンパ管形成が関わる疾患の治療法の確立を目指します。Gタンパク質共役受容体(GPCR)は、細胞膜上で神経伝達物質やホルモンなどを認識する生体センサーとして働いています。認識する分子に応じて約800種類ものGPCRが存在し、最大の創薬ターゲットとなっています。 GPCRの中には、未だに認識する分子が不明なオーファンGPCRが約80種類あります。私たちはこれらのオーファンGPCRが認識する分子を、特に脂質分子に注目して探索しています。この研究で、体の中で働く新しい脂質分子とその生物学的役割の解明を目指します。生活習慣の欧米化に伴い、糖尿病や肥満が増加しています。糖尿病になると、腎臓や眼、心臓など様々な臓器に大きな障害が起きますが、これらの治療法は十分に確立されておりません。したがって、糖尿病やその合併症の的確な診断法と新規治療法の開発が求められています。当講座では、脂肪細胞や消化管から分泌されるホルモンであるインクレチンのはたらきに注目し、病気のなりたちや治療への応用に関する研究を進めています。なまはげブルーサークルというロゴを用いた糖尿病撲滅のための啓発活動も秋田県内で行っております。現在、国民の2人に1人がなんらかのアレルギーを有しています。アレルギーは免疫細胞の過剰な反応によって起こる炎症であることがわかっていますが、その詳しいメカニズム、新しい検査と治療法を研究しています。薬剤耐性菌とは抗生物質が効かなくなった細菌のことです。抗生物質は人類の運命を大きく変えた20世紀最大の発明ですが、薬剤耐性菌が増えてしまうと、薬が効かない時代に逆戻りし、人類は再び感染症で苦しむ時代になることが危惧されています。薬剤耐性菌がどのように増えるかを解明し、耐性菌の増加を食い止めるにはどうしたらよいかを研究しています。自身の体を自身の免疫細胞が攻撃してしまう病気である自己免疫疾患の中で、肝臓の胆管上皮細胞を攻撃してしまう原発性胆汁性胆管炎という病気があります。疾患の進行を遅らせる治療法はありますが、進行を止める、あるいは治す治療法はなく、Bリンパ球と免疫の関係や新しい治療法の開発について研究をしています。手術ができない進行した頭頚部癌、食道癌、肺癌、子宮頸癌、膵癌などでは放射線治療と抗癌剤を組み合わせた治療を行います。放射線治療技術や薬の開発・進歩もあり、手術できない場合でも集学的治療により根治を目指せる患者さんが増えてきています。より強力に癌を制御するために、放射線治療の安全性や有効性に関連した研究を行っています。癌病変による疼痛や出血に対して放射線治療が有効であることはわかっていますが、期待した効果が得られなかったり、思いがけない副作用が起きることがあります。緩和放射線治療の効果や副作用に影響する因子を研究することで、緩和放射線治療の有効性、安全性の向上を目指した研究を行っています。また、同一部位に再度放射線を当てる「再照射」に関する研究も行っています。人口高齢化により、御高齢の癌患者が増えています。御高齢の場合、体力の低下や合併症により、手術などの侵襲が高い治療ができない場合があります。放射線治療は比較的侵襲は少ないものの、高齢者の場合は予期せぬ副作用を来すことがあります。高齢者に対する放射線治療の安全性や有効性についての研究を行っています。放射線治療の進歩に加えて、画像検査の技術も進化を続けています。微細な癌の拡がりや、癌の悪性度を画像で推測できるようになってきています。これらの最先端の画像技術を用いて、癌が広がる範囲に正確に放射線を照射する方法についての研究を行っています。-21-

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