秋田大学 令和7年度 高校生のための研究者・研究内容紹介
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所属(学科・コース・講座等)医学科血液・腎臓・膠原病内科学講座医学科 消化器外科学講座医学科 消化器外科学講座医学科 胸部外科学講座医学科 胸部外科学講座医学科 腎泌尿器科学医学科 腎泌尿器科学医学科 腎泌尿器科学医学科 臨床腫瘍学講座医学科 臨床腫瘍学講座教員名(職名 氏名)教 授 髙橋 直人准教授 北舘 明宏教 授 有田 淳一教 授 有田 淳一助 教 山田 修平教 授 今井 一博講 師 佐藤 雄亮講 師 髙嶋 祉之具講 師 脇田 晃行助 教 松尾 翼助 教 栗山 章司助 教 長岐 雄志教 授 今井 一博講 師 寺田 かおり助 教 高橋 絵梨子教  授 羽渕 友則准教授 成田 伸太郎准教授 斎藤 満教  授 羽渕 友則准教授 成田 伸太郎准教授 斎藤 満教  授 羽渕 友則准教授 成田 伸太郎准教授 斎藤 満教 授 柴田 浩行教 授 柴田 浩行講 師 福田 耕二研究テーマ新しいお薬を開発する:造血器腫瘍のおける開発臨床試験肝静脈分岐における新規分類の作成膵頭十二指腸切除後の合併症低下のための研究外科手術中に正確な癌の診断を可能にする方法の開発乳癌手術中の迅速で正確なリンパ節転移診断腎泌尿器癌に対する新規の診断と治療の開発腎移植の成績向上を目指した研究と腎移植推進腎泌尿器疾患に対するロボット支援手術の開発と有効性・安全性に関する研究「がん」の作り方What is your cancer?研究内容造血器腫瘍の分子生物学的な研究から多くの分子標的薬が設計され、お薬となるまで世界中で開発臨床試験が行われています。秋田大学の血液内科では世界の最先端の治療方法を提供できるように多くの開発臨床試験に参加し大学病院の臨床研究支援センターと協力しながら安全に行っています。肝臓へ流れ込んだ血液は肝静脈から出て、下大静脈という大血管を通じて心臓に戻っていきます。肝臓はたくさんの区域に分かれており、肝臓を切除する際には肝静脈の切離も必要になります。それぞれの区域から出た静脈は合流して最終的に左・中・右肝静脈の3本になります。これらの内、左肝静脈の分岐は多岐にわたるため、肝切除の際に、複雑な分岐のため、術後に血液のうっ滞が生じることがあります。そこで、CT画像を3D化し、多くの患者さんのデータを用い、肝静脈の分岐形態を細分化し、新たな静脈分岐の分類作成を試みています。膵頭十二指腸切除という手術は膵臓を切って小腸とつなぐことが必要ですが、そこから膵液がお腹の中に漏れて細菌が感染したり、血管が破れて出血することが大きな問題です。手術中に胆汁という液体の細菌感染の有無を調べたり、手術後のお腹の中が染み出てくる液体の成分を調べることで上記の危険を回避できるフローチャートを作り、検証しています。抗原抗体反応を利用して、細胞内のタンパクを見る方法を「免疫染色」と言いますが、その反応には多くの時間がかかります。私たちは、電気の力を借りることによって、スライドガラスに乗る液体を素早く混ぜ、反応を促進する技術を開発しています。この原理を応用することによって、それまで2時間以上かかっていた「免疫染色」の行程時間を、「20分」まで短縮することができました。手術中でも、より精度の高い癌の診断を行い、治療法を決定することができます。乳癌がいちばん最初に転移するリンパ節をセンチネルリンパ節と言います。手術でこのリンパ節を見つけ出し、手術中に顕微鏡で観察して、癌の転移があれば、他のリンパ節も切除します。転移がなければ不要な切除は省略でき、患者さんの負担の軽減につながります。上記の「外科手術中に正確な癌の診断を可能にする方法の開発」を乳癌の手術にも応用して、より正確で速い、リンパ節転移診断の方法を開発しています。●腎臓、膀胱、前立腺、精巣などの癌の発生機序の分子レベルの解析と新規診断、新規治療法や新規治療標的分子を見つけています。●肥満や高脂肪食で癌が進行するって知ってますか?近年、非常に増加傾向にある泌尿器癌の背景となっている高脂肪食や肥満の影響を分子レベルで解明しています。前立腺癌は食事の欧米化や肥満、高脂肪体質で日本でも男性の癌では最も頻度の高い癌です。●腎移植を日本でも有数の件数施行しています。この腎移植の成績向上のための臓器拒絶の阻止、新規免疫抑制の方法や個別化医療(テーラーメード医療)の最先端研究を進めています。●また内視鏡(腹腔鏡)を用いた移植用腎の採取方法の研究を行っています。●ロボット(=ダヴィンチ)支援手術や内視鏡手術の改良を行い、手術の侵襲(負担)をより軽くする最先端の研究や手術を行っています。●日本の中でも先進的に腎や膀胱に対するロボット支援手術を行い、開発研究と安全性、有効性に関する研究を行っています。明治の頃、山極勝三郎は苦心惨憺して「がん」を作った。その鍵は遺伝子にあった。今や「がん」の設計図を手にした我々は遺伝子改変技術で「がん」を作り、解析できる。「がん」にも個性がある。「がん」には弱点がある。遺伝子を解析することで、それらが分かる。「がんゲノム診療」は新しい医療の未来を切り開く。-26-

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