秋田大学 令和7年度 高校生のための研究者・研究内容紹介
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所属(学科・コース・講座等)応用化学生物学科 有機・高分子化学コース応用化学生物学科 有機・高分子化学コース応用化学生物学科 有機・高分子化学コース応用化学生物学科 有機・高分子化学コース応用化学生物学科 有機・高分子化学コース応用化学生物学科 有機・高分子化学コース応用化学生物学科 有機・高分子化学コース応用化学生物学科 有機・高分子化学コース応用化学生物学科 応用化学コース応用化学生物学科 応用化学コース教員名(職名  氏名)教  授 寺境 光俊准教授 松本 和也教 授 寺境 光俊助 教 山下 剛司教 授 藤原 憲秀准教授 近藤 良彦准教授 松村 洋寿准教授 松本 和也准教授 山田 学 准教授 山田 学 教  授 大川 浩一准教授 加藤 貴宏教  授 大川 浩一准教授 加藤 貴宏研究テーマ環境適合性高分子の分子設計と合成炭素繊維複合材料用新規熱可塑性エポキシ樹脂の開発生命現象を制御する有機化合物の創成生物機能を模倣する分子の合成とその機能性の解明タンパク質の分子レベルの解析に基づいた薬の作用機序解明と異常タンパク質が原因となる腎疾患の発症機序解明を目指した研究新規希少金属回収剤の開発レアメタル分離剤の開発分子認識特性を有する大環状ホスト分子の機能解析エネルギー資源のクリーン化技術の開発超音波照射下で生成する化学反応場を利用した機能性材料の合成研究内容高分子の性質は,分子構造やその集合状態に大きく影響されることが知られています。私たちは分子レベルからその構造を設計し,実際に高分子を合成して機能を評価する研究に取り組んでいます。燃料電池用電解質膜などの環境適合技術に対応した高分子について,新規構造高分子や分岐高分子の開発を中心に研究を進めています。炭素繊維複合材料は,金属材料に比べて軽量かつ高強度であることから,航空機や自動車,さらにはインフラ補強材など様々な分野で応用が進んでいます。現在実用化されている炭素繊維複合材料はマトリックス樹脂として熱硬化性エポキシ樹脂が私用されています。私たちは加熱により溶融・流動させることができる熱可塑性エポキシ樹脂をマトリックスとする炭素繊維複合材料の研究を行っています。再加熱により補修が可能な新しいコンクリート補強用材料の開発を目指しています。生命は様々な生体分子間の相互作用により支えられています。相互作用は生体分子と比較的小さい分子量の物質(小分子)との間でも起こります。その相互作用を解析すると、新たな生体分子の機能を発見できる可能性があります。この小分子と生体分子の相互作用による生命現象の制御の様子を詳しく解析するため、生物活性を持つ天然由来の小分子を精密に合成する研究や、人工的な改変を加えた分子を創出する研究を展開しています。ある分子が他の分子を認識・識別する性質を「分子認識能」と言います。この分子認識は生体内での様々な有機分子やイオンの識別だけでなく、産業的にも重要な要素となっています。我々は、主に大環状化合物を基本骨格として新規有機分子を合成し、その分子の3次元構造と分子認識能について研究しています。更に、それらの分子の分子間相互作用を明らかにし、分子集合体の構造と性質についても研究しています。多種多様なタンパク質の働きは生命現象を支えており、異常なタンパク質が生産されたり、タンパク質が異常な働きをすると、様々な疾患の原因となります。多くの薬は、タンパク質をターゲットとして特異的に結合することにより働きます。我々は、作用機序が不明である薬のターゲットタンパク質を探索し、薬との結合を分子レベルで明らかにすることで、薬の作用機序や副作用の発症原因を解明したいと考えています。また、腎疾患の原因となる尿タンパク質の性質や形を分子レベルで明らかにすることで、腎疾患が発症する原因を解明したいと考えています。パラジウムや白金、ロジウムは触媒や宝飾品などに用いられる希少で価値の高い金属であり、使用済み製品からのリサイクルが重要です。我々はこれらの希少金属を廃液から回収するための回収剤を分子レベルで設計・合成し、実用性の高い回収剤の開発を目指し、研究を行っています。レアメタルはスマートフォンやパソコンなどの電子機器や自動車触媒等に使用される希少性のある金属です。持続可能な社会を構築するためには、有用なレアメタルを使用済みの製品から効率的に分離するが求められています。私たちは、これらレアメタルを回収できる分離剤を分子設計し、さらに合成にチャレンジし、レアメタルの選択的分離が可能であるか研究を行っています。大環状ホスト分子は、環状構造(バケツ型やドーナツ型の構造)を有しており、分子自体に空間を有します。この空間を利用することで特定の有機化合物やイオンを認識し、取り込む(分子認識)ことが可能です。私たちは、大環状ホスト分子を基本構造とした集合体を合成し、得られた空間を利用した分子やイオンを取り込む性質について研究を行っています。地球環境の保全ならびに有限な資源の高効率利用の観点から、化石エネルギー資源のクリーン化技術の開発が望まれています。石炭やオイルサンドなどの重質炭化水素に含まれる硫黄化合物を酸化反応やイオン液体による抽出などの技術を駆使して選択的に取り除いたサルファーフリークリーン燃料の製造プロセス開発を行っています。溶液中に強力な超音波を照射することで、酸化もしくは還元反応を進行させることができます。超音波照射条件を制御することで、目的とする反応を選択的に利用します。この反応を用いて、酸化剤・還元剤の添加を行うことなく、常温・常圧で高性能なリチウム電池用正極活物質、環境浄化材料など機能性材料を合成する研究をしています。-44-

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