秋田大学 令和7年度 高校生のための研究者・研究内容紹介
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所属(学科・コース・講座等)環境数物科学科 機能デバイス物理コース環境数物科学科 機能デバイス物理コース環境数物科学科 機能デバイス物理コース環境数物科学科 機能デバイス物理コース環境数物科学科 機能デバイス物理コース環境数物科学科 機能デバイス物理コース環境数物科学科 機能デバイス物理コース環境数物科学科 機能デバイス物理コース環境数物科学科 機能デバイス物理コース教員名(職名  氏名)准教授 長谷川 崇准教授 河野 直樹准教授 佐藤 祐一准教授 肖 英紀准教授 福田 誠准教授 山本 良之講 師 木下 幸則講 師 辻内 裕講 師 細木 藍研究テーマ真空とナノテクでつくる強い磁石高エネルギー粒子やX線、ガンマ線を検出するための蛍光体材料の開発光る半導体のナノサイズ結晶の形成と新しい照明や画像システムへの応用準結晶物質の創製とその特性評価非線形超音波を用いた非破壊検査についての研究磁性ナノ粒子(磁性流体)の基礎的性質と医療応用研究原子間力顕微鏡を用いたナノ表面イメージング有機分子の薄膜および半導体などの分子エレクトロニクス研究光ファイバを用いる化学センサとその応用研究内容本研究室では、真空成膜装置や微細加工装置を用いた新しい材料の開発を行っています。材料の結晶構造や組織などを人工的に制御してやると、通常の材料ではみられない性質が現れることがあります。例えば大きさがナノメートル台の材料では、生体適合性の向上、摩擦低減効果、光発電の高効率化など、多種多様な有用性が報告されています。中でもナノスケールの磁性体は、バイオ医療材料、電子情報デバイス、発電やモーター用の永久磁石等の分野での活躍が期待されています。無機単結晶やガラス、セラミックス、有機無機ハイブリッド材料を用いた蛍光体材料に関する研究を行っており、その中でも特に高エネルギー粒子やX線、ガンマ線を検出するための蛍光体材料の研究をしています。これらの放射線は、医療、セキュリティ、石油探索、高エネルギー物理学など様々な分野で用いられおり、それぞれの用途に応じた蛍光体材料が必要となります。当研究室では、様々な材料の構造や物性を制御することで、用途に応じた蛍光体材料の開発を目指しています。半導体はスマートフォンやロボットなどを動かす電子回路に利用されますが、きれいな光や目に見えない光を出す半導体もあり、発光ダイオードなどとして利用されています。この研究では、ナノメートルのサイズの光る半導体の結晶を、大きな面積のプレートの上に人工的に作ること、そして将来的には、すごく明るいけどまぶしくない照明や、とても小さな領域の画像をリアルタイムで高品質に大きな画像として表示できる装置などに応用することを考えています。物質の中の原子は、多くの場合「結晶」と呼ばれる規則正しい配列で並んでいます。一方、ガラスのように原子が不規則に配列した「アモルファス」物質も存在します。「準結晶」とは、そのどちらでもなく、「5回回転対称性」や、「黄金比」と呼ばれる無理数に司られた特殊な原子配列をもつ物質であり、普通の結晶やガラスとは異なる新しい特性が現れる可能性を秘めています。このような物質を多くの元素の組み合わせから創製し、その新奇な性質を調べています。モノを壊さずに内部の状態を調べる非破壊検査の分野において超音波が利用されています。従来の超音波法では見つけられなかったとても小さいき裂や欠陥を検出したいという要望があり、それが可能とされる非線形超音波に注目が集まっています。非線形超音波は普通に使われている超音波と比べて非常に小さい音圧であり、これを感度良く検出するための方法(探触子の開発・信号処理など)について研究を行っています。ナノメートルサイズの直径で磁気を帯びた粒子を液体状にした磁性流体は工業用途だけでなく近年、医療やバイオ分野への応用が期待されています。 研究室ではこういった磁性ナノ粒子材料を合成し、ナノサイズ領域で生じる新しい性質を調べることと、磁性ナノ粒子でがん治療を行う磁性流体ハイパーサーミアへの応用に向けてナノ粒子の性能評価を行っています。原子間力顕微鏡は、鋭い探針と物質表面間に働く力を捉えることで、表面の凹凸や電気的、磁気的、機械的な性質をマッピングする顕微鏡です。大気中や溶液中など日常的な環境に置かれた表面でも観察可能で、原子が見えるほどの高い空間分解能を持ちます。また、探針で表面構造を動かし、人為的なナノ構造の作製も可能です。この顕微鏡を用いて、年々微細化が進む電子・磁気デバイスの動作評価や、表面で起きる新規な物理現象の探索を行っています。有機分子の優れた機能は、ミクロの世界では、電子移動や光を吸収して電子を出したり発光したりする、分子レベルでのエレクトロニクス現象として、複雑な生命現象までも理解できます。これは生物物理学という分野です。この分野の知見を活かして、有機分子の機能性薄膜の研究、ゲル固体電解質によるバイオセンサの研究、低コスト光電池および紫外線エネルギー利用技術の関する物質およびシステムの研究を行っています。インターネット回線の普及と共に、光ファイバーによる光回線は主流となりました。光は屈折率の高い物質(コア)/屈折率の低い物質(クラッド)境界で全反射しながら、コアの中を進むため、光によるデジタル信号を、遠くまで高速で送ることができます。同時に、コア内の光の変化を観察できるようにすれば、センサーとしても利用可能です。水素漏洩や感染性ウイルスの検知など様々な環境分野への適用に取り組んでいます。-49-

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