秋田大学 入学案内 2025
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31秋田大学ホームページに掲載のインタビュー記事から一部を抜粋して紹介します。 多彩な研究を行う秋田大学の研究者について、二酸化炭素を回収・貯留する技術開発を進める 大学院国際資源学研究科 資源地球科学専攻 教授千代延 俊 千代延先生は「化石燃料の使用を減らし、再生可能エネルギーの使用を増やすこと」を目標に研究をしています。先生は化石燃料の探査技術や開発技術の基盤に、石油地質学の新しい技術を適用しながら、地球温暖化対策と資源調達の存続の両立を目指します。 即効性のある地球温暖化対策として研究開発が進んでいるのは、CO2を地中へ埋めてしまおうという試みで、「二酸化炭素回収地下貯留(CCS(Carbon dioxide Capture and Storage))」と呼ばれており、石油掘削の技術を応用し、発電所や工場などから排出されたCO2を他の気体から分離させて回収し、地中深くに圧入し新たな価値を生み出す豊かな創造性をはぐくむ算数・数学の授業を目指して 教育文化学部 学校教育課程 英語・理数教育講座 理数教育コース 講師加藤 慎一 加藤先生は、算数・数学の授業を通して、児童・生徒における豊かな学びを具体化するために、「数学的なプロセス」を重視した教材や授業デザインの研究を行っています。 算数・数学の授業において、問題の答えを求めることだけに終始するのではなく、日常生活から問題をみいだすこと、みいだした問題を解決すること、解決した結果を日常生活に関連づけて意味づけることが大切であると先生は考えています。教師から問題を与えるだけではなく、子どもたちが自ら問題をみいだすことができるような、子どもたちが解決してみたいと思えるような文脈や状況を設定することが大未知なるものを解明する基礎研究〜巨大分子の分泌機構を探求する 大学院医学系研究科(医学専攻等) 医学専攻 機能展開医学系 情報制御学 実験治療学講座 教授齋藤 康太 齋藤先生は、私たちの体を構成する細胞の中にある、さまざまな細胞小器官のあいだの物質のやりとりである「細胞内膜輸送」の研究をしています。 細胞内膜輸送のひとつである「分泌経路」は、ホルモンやコラーゲンなどのタンパク質を細胞の外へ運ぶ重要なはたらきをしています。そして先生が特に注目して研究している分泌タンパク質がコラーゲンです。ヒトのからだの中で一番多く、巨大なタンパク質であるコラーゲンがどのように分泌されるのか、15年ほど前まで全くわかっていなかったのですが、先生が留学中にコラーゲンの分泌を地域に寄り添って認知症予防に取り組む 大学院医学系研究科 保健学専攻 作業療法学講座 教授久米 裕 久米先生は地域の認知症やフレイル状態(心身が脆弱となる状態)を予防するための研究、そして認知症に移行した方々が自分らしい生活を維持・獲得していくためのウェアラブル端末データからみた生活リズムを研究しています。 作業療法士がリハビリテーションを行う際、治療目標に「生活のリズムを整えること」をあげています。先生はデータ解析の結果、認知症の方には夜間頻繁に起きたり徘徊したりという不穏状態による生活リズムの乱れや、朝方の早期覚醒、日中の居眠りや身体活動量の低下に応じて夜に眠れなくなる傾向があり、さらに生活リズムが悪進化を続ける液晶ディスプレイ 大学院理工学研究科 数理・電気電子情報学専攻 電気電子工学コース 教授山口 留美子 山口先生は、液晶の物性評価から液晶ディスプレイの開発研究に取り組み、新しい電子ディスプレイの可能性を応用した研究を行っています。 液晶:LC(Liquid Crystal)は固体と液体の両方の性質を合わせ持ち、規則性を持って並んでいる液晶分子に電圧を加えることで分子の向きが変わり、光学特性が変化するという性質があります。その性質を利用し、数種類ある液晶材料の化合物のブレンド方法を変えることで、目的に応じた製品を作ることが可能です。 先生は数十種類の液晶と高分子によるネットワーク構造体の光散乱型液晶素子材料の組み合わせから新規な光散乱メカニズムを見出し、貯留する技術です。掘削や地下に貯蔵するという技術は、先生の石油天然ガス開発分野の強みであり、「CO2プリュームジオサーマル」という地熱発電技術の開発にも取り組んでいます。 これから先も必要な資源を、どのように長く採れるようにするかをアカデミーの分野から共同研究する一方で、これまで培ってきたものも無くさずに続けるべきだと先生は考えます。ここ秋田から、世界の資源現場と地球科学分野をリードし、国際的に活躍する技術者の育成に向けて、資源探査や開発から環境リサイクルまで、国内唯一体系的に学べる教育・研究育成に取り組んでいます。切だとしています。また算数・数学の授業におけるICT活用も先生の研究テーマの一つであり、ICTを活用することによって、生徒が自ら問題をみいだしそれを解決する授業になると先生は考えています。 私たちの身の周りには、算数や数学に溢れています。そのことに気付くことができれば、私たちも普段とは別の視点で物事をみることができるかもしれません。先生は、今後も算数・数学をより身近に感じ、算数・数学を学ぶたのしさを実感しながら一人ひとりが自分で考える力を養えるよう様々な事象を探りながら研究に取り組んでいきます。助ける因子「TANGO1(transport and Golgi organization)」を発見しました。TANGO1が骨の形成に重要なこと、ヒトの病気の原因になっていることなどが明らかになってきており、TANGO1を標的とした創薬も考えられています。先生は、「今まで解明されてこなかったことを初めて解き明かすことは研究者の醍醐味ですね。われわれの体の中の仕組みを、私たちの手で明らかにするのはワクワクします。」と語ります。こうしている今も、私たちの身体の中では多くの細胞が働いています。その細胞の不思議で未知なる部分をより多く解明することを目指し、今後も先生の研究は続きます。化している人はその先の生活能力も低下しやすくなるということを明らかにしました。生活リズムの調整のため光を浴びることでの体内時計調整(サーカディアンリズム(概日リズム))や生活環境を整えることが重要です。先生は産学連携で地元企業と共にグループホーム施設で照明、生活音、香りを利用した研究も行っています。 先生は、医療・保健福祉の領域のみに留まらず、官民連携まちづくりを進めながら包括的な予防的介入と認知症の方が暮らしやすい共生社会を作りだすことが今後は必要だと考えています。認知症の方たちを支え、共生していく地域づくりのためにこれからも先生の研究は続きます。透明な窓ガラスから曇りガラスへ変化するスマートウインドウ(電子カーテン)の低電圧駆動化を実現しています。またその他にも、紫外線を当てると光る液晶モニターの開発や、1V以下で表示が切り替わる超低電圧駆動液晶ディスプレイに向けての研究にも取り組んでいます。 液晶という言葉は知っていても液晶自体をみたことがある方は少ないかもしれません。そんな液晶を使って理系の楽しさを広める取り組みと、さらなる新規配向膜材料素子材料を追求し、21世紀を支える基盤技術の一つである光エレクトロニクス工学分野での液晶ディスプレイ開発に向けた研究に先生は取り組んでいます。研究者紹介

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