青森県立保健大学大学院 2022年度 入学案内
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3カリキュラムの特徴 本研究科のカリキュラムは、保健医療福祉に関わる高度な知識、問題解決及び研究能力を習得することを目的として、基盤科目、専門科目、特別研究の3層から構成されます。 入学者は事前に相談し指導教員を決定し、指導教員の属する研究領域に所属します。本人の研究計画に基づき、指導教員との相談をもとに、2年間(3年間)で受講すべき科目を決定します。博士前期課程では、様々な視野から自らの研究や学習を深めていくために、専門科目を「モジュール」として、柔軟に科目の選択ができるようにしています。博士前期課程コース設置の背景 がんは、全国の死因の第1位で、青森県でも同様の状況が続いています。このため、「第三期青森県がん対策推進計画」では、がん医療に携わる人材として、がん看護専門看護師の育成を推進することとしています。本学では、青森県のがん看護に貢献できる人材の育成を目指し、青森県で唯一のがん看護専門看護師養成コースを開設し、年2~3名を養成していきます。令和3年4月現在、全国のがん看護専門看護師は937名であり、青森県内のがん看護専門看護師は4名(2名は本コース修了生)です。コースの概要 住み慣れた地域でがん患者と家族が望む生活の実現に向けて、総合的な判断と組織的な問題解決力を培い、高度な看護実践を行うための看護を探求するコースです。特に、がん看護分野の中でも「がん薬物療法看護」「緩和ケア」をサブスペシャリストとする専門看護師を養成しています。令和3年4月現在、本コースを修了した3名が、がん看護専門看護師の認定を受け、本県をはじめ、全国のそれぞれの職場で活躍しています。専門看護師の果たす役割 専門看護師(CNS:Certied Nurse Specialist)とは、複雑で解決困難な看護問題を持つ個人、家族及び集団に対して水準の高い看護ケアを効率よく提供するための、特定の専門看護分野の知識及び技術を深めた看護師で、日本看護協会専門看護師認定審査に合格し、ある特定の専門看護分野において卓越した看護実践能力を有することが認められた者のことをいい、右図の役割を果たします。柔軟な科目選択のための「モジュール」によるカリキュラム大学院の特色実践相談調整倫理調整教育研究CNSの役割個人、家族及び集団の権利を守るために、倫理的な問題や葛藤の解決をはかる。必要なケアが円滑に行われるために、保健医療福祉に携わる人々の間のコーディネーションを行う。看護者を含むケア提供者に対しコンサルテーションを行う。個人、家族及び集団に対して卓越した看護を実践する。専門知識及び技術の向上並びに開発をはかるために実践の場における研究活動を行う。看護者に対しケアを向上させるため教育的役割を果たす。 研究の基礎となる科目について、研究倫理など専門領域に関わらない<共通研究基礎科目>と、主に看護学や社会福祉学に特化した<専門研究基礎科目>を設定しています。さらに、健康科学などに関わる多様な実践及び学問体系の基盤となる科目として、<生命科学・生理学科目群>、<疫学・統計学科目群>を設定するとともに、地域の人々のより健康的な行動変容を推進するための基盤として、<ヘルスリテラシー科目群>を設けています。これらの科目は、主に1年次に修得し、専門科目の履修や特別研究の計画・実施の土台となるものです。基盤科目 地域保健、社会福祉、看護、理学療法、栄養などを専門とする学習者が、さらなる専門性の向上と、専門分野や職種の垣根を越えた実践・研究を推進するために、各専門科目を「モジュール」としてパッケージ化しました。修士(看護学)、修士(社会福祉学)では、それぞれに該当するモジュールから一定以上の単位を修得する必要がありますが、修士(健康科学)では、「モデルコース」としての履修モデルは示すものの、基本的に自らの学習目標に沿って自由に科目の選択ができるようにしています。なお、CNSコースでは、修士論文となる課題研究(2単位)が必修となっています。専門科目 基盤科目及び専門科目を展開させ、自らが設定した特定の研究課題に対して、修士論文を作成、発表する科目です。すべての学位において8単位の必須科目となっています(CNSコースを除く)。 研究においては、特定の職種の枠を越えた課題意識、着想、方法及び実施が必要と考えられることから、実践や研究の対象や場の層を考慮した、横断的な研究領域(保健・医療・福祉政策システム領域、対人ケアマネジメント領域、基礎研究・実用技術領域)を設定しています。特別研究博士前期課程がん看護専門看護師コース

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