愛媛大学 理学部案内 2021
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地球の過去を学ぶ、地球の現在を知る、地球の未来を想う。地球の諸問題を科学的に解明するには、生物と流体・固体地球の相互作用をさまざまな時間・空間スケールの現象として地球科学的視点から捉える必要があります。地学コースでは、このような諸問題を常に意識し、地球の内部構造や地殻変動のメカニズムを学び、地球と生物の共進化などの基礎的な理解を目指しながら、多様な観点と手法で教育・研究を行うことに重点を置いています。これらの目標を達成するため、本コースでは野外調査と室内実験を中心とした幅広いカリキュラムを通して教育を行っています。また、最終学年では卒業研究を通して実証的な調査・研究を行い、実践的な問題に対処できる能力を身につけます。地球物理学系地球の構造と発達を知る大陸地殻の成因を究める岩石・鉱物学系地質・古生物学系地球環境の進化を探る海洋循環の仕組みを明かす海洋学系大陸地殻の存在は太陽系の他の惑星にはない地球固有の特徴です。大陸地殻の成因および進化過程を解明することを目的として、国内外の野外地質調査、岩石鉱物の化学分析、電子顕微鏡観察や高温高圧実験といった様々な手法を駆使して研究を行っています。累帯構造を示す斜長石の偏光顕微鏡写真高温高圧実験や物性測定、データ解析やコンピュータシミュレーションなど、さまざまな物理の手法を駆使した研究を行っています。 これにより、直接目に見ることのできない地球や他の惑星の内部の物質や構造、さらにその進化を解明することを目的としています。地球の内部の流体力学シミュレーション海洋循環やこれに伴う物質輸送の仕組みを解明すべく、海洋観測や数値モデリングなど、様々な方法を駆使して研究に取り組んでいます。研究対象は、瀬戸内海など内湾域から、東シナ海などの陸棚域や、北太平洋などの外洋にいたるまで多岐にわたっています。調査船いさなでの採水風景地球環境の歴史的変遷を明らかにするために、地質調査による地質構造解析、微化石や大型化石(特に中生代の海生軟体動物や陸生脊椎動物)による古生態・古環境解析、堆積物解析による環境評価に取り組んでいます。また、中生代に生息していたアンモナイトなどの形態学的研究も行っています。 ジュラ紀の化石林主な研究分野Earth Sciences地学コース16

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