愛媛大学 医学部看護学科 GUIDE BOOK 2021
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愛媛大学医学部で看護学を学ぶこと,それは,次々と押し寄せる課題に正面から向き合い,新しい知識と新しい出会いを得て,教員や仲間とともに成長していく過程です。看護学科のカリキュラムは,1年生から3年生前学期までに,看護職者として必要な主要科目を講義で学びます。3年生後学期からは,現場で学ぶ臨地実習が中心になっています。看護とは何か,人間の体,心,生活,人と人との関わり,チームや社会など,学ばなければならないことは山積みです。医療人として,看護職者として大切なことは,知識を得ること,技術を修得すること,そして何よりも大切なことは人間の尊厳を守ることができる倫理観を持った「良い大人」になることだと思います。看護することは特別なことではなく,対象である人や家族や集団,地域社会の日常性を維持し,健康と安全,安心を保障するための支援を計画し実施していくことです。そして,看護学を学ぶ中で多くの出会いを経験します。看護することは,何かをしてあげることではなく,共に歩み,相手にとって必要なことは何かを判断(assess)し,適切な支援(assist)をすることです。これからの医療の中で看護への期待はますます大きくなり,チームの中で担う役割は重要になってきます。その未来を切り開いていく皆さんに期待しています。皆さんと一緒に,人々の幸せを見つけられる「これからの看護」を学び育てることを楽しみにしています。実習で対象者に的確な看護技術を行使できるように学内演習で技術の修得を図ります。写真は学内演習の一コマです。効果的な学習を支援するために,様々な教材が準備されています。1) 小児のバイタルサイン測定演習 2) 装具をつけて高齢者体験 3) 食事介助演習123学内で学んだ「知識」や演習で身につけた「技術」を生身の人におこる「現象」として確認し,ケアを実際に「実施」する場です。「この知識は現実ではこうなるのか」と知識と経験の統合を図ります。患者さんやご家族の方から医療職として様々なことを学んでいきます。主な実習場所は,愛媛大学医学部附属病院です。大学の教員だけでなく,現場で働く看護師・医師などから指導して頂きます。訪問看護ステーションや保健所,保育所などでも実習を行います。臨地実習3学科混合のグループワークグループ発表及び全体討議従来,チーム医療をテーマとした教育は主に卒業後に行われ,学部教育の段階では実践的な教育が系統的には行われてきませんでした。そこで平成22年から「(医療)チームの一員としての役割を果たす」能力を育成するため,学生間でのディスカッションを軸とした「がん医療におけるそれぞれの役割とチーム医療」というテーマで医学科3年生と看護学科4年生および松山大学薬学部の4年生を対象に合同授業を毎年行っています。この取組みは今では「愛媛大学と松山大学との連携事業」の取組みとして実施されています。少人数に分かれて実施されたグループワークでは,末期がんの症例の治療,心情や背景,生活などについて患者さんも交えて多面的なディスカッションが行われました。授業後に行われたアンケートでも,それぞれの知識や実習の経験に基づく発言等が熱心に交わされ,とても有意義であったとの意見が多く寄せられました。医学科・看護学科・薬学部が合同で学ぶ「チーム医療学習カリキュラム」を実施4学校推薦地域枠を新設愛媛県は、山間へき地や離島等,高齢化が進む地域を多く抱えています。これらの地域の看護師不足や看護力の向上に貢献することに高い使命感を持つ看護職を育てることを目的として新たな入試を開始します。地域枠で入学した学生は、地域医療や地域包括ケアについて体験する実習を1年生から実施します。

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