愛媛大学法文学部 青い地球交流記 2022
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1Study abroad brochure 2022は、たいへん良いことです。少なからず世界観が変わるでしょうし、将来に向けた人生観の構築にも、必定プラスに働くことでしょう。なりません。海外留学も、海外調査も、何かしっかりとした目的、目標があると、格段に違って見えてくるものです。の博物館事情を調べるのが目的です。ただ、展示を眺めるのとは違いますよ。調べるのです。たショップを調べて歩くと、その国の、博物館の運営方針や将来のビジョンまでが垣間見えてくるからです。え、楽しく、目的意識を持ちながら毎回、海外を巡るようにしています。英ロンドン市立博物館のミュージアムショップこんにちは。この冊子を読んでくれている皆さんは、きっといま、海外留学に興味を抱いていますね。若いうちに広い世界を知ること仏ルーブル美術館のミュージアムショップイタリア ミラノにて幸泉 満夫(博物館学 兼 考古学)出張先のカナダで立ち寄ったモントリオール・ノートルダム聖堂法文学部国際交流副委員長 福井 秀樹(政治システム論)2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の世界的大流行は、現在(2023年1月10日)も収束の兆しが見えないままです。しかし、ワクチン接種の進展、致死率・重症化率の低下を受け、わが国でも2022年10月11日以降、すべての帰国者・入国者について、原則として入国時検査を実施せず、入国後の待機、待機期間中のフォローアップ、公共交通機関不使用等が求められないこととなりました。本学でも海外渡航が再開となりました!私も実に約3年ぶりに海外出張できました。本冊子には、待ち望んでいた留学や海外インターンシップでの胸躍る体験の記録が満載です。「ああ、いいなぁ、私も行ってみたい!」と思ったあなた、ぜひ一歩踏み出しましょう!案ずるより産むが易し、とは、まさに海外渡航のためにある言葉です。35歳(!)を過ぎてから海外渡航を経験した私が言うのだから、間違いありません。ただ、経済上、健康上等の理由でリアル渡航がむずかしい方もいらっしゃることと思います。コロナ禍は、そのようなあなたにも思わぬ副産物をもたらしてくれました。Web会議サービスの普及です。いまや多くの人がWeb会議サービスを違和感なく使いこなし、ヴァーチャルなコミュニケーションを楽しんでいます。本冊子にもオンライン国際交流会報告が掲載されています。この交流会、私も参加しました。高い航空運賃・宿泊費、長時間フライトの苦痛を経験する必要のないヴァーチャル国際交流も、また実に素晴らしいものだと実感しました!こうしてみると、ウィズコロナ、アフターコロナの国際交流は、ビフォアコロナの国際交流よりも、ある意味、豊かなものになる可能性を秘めていると言えるのかもしれません。皆さん、コロナ禍でもあきらめずに、あらゆる可能性を追求して、国際交流を楽しんでいきましょう。私も、常に新しい発見が満載の海外調査(旅行)が大好きです。ただし、将来に役立つほどの発見を得るためには、受動的であっては私は愛媛大学法文学部で博物館学と考古学を担当しています。なので、海外へ渡航するときは必ず、博物館へ向かいます。そう、海外“何を調べるのか”って?最近は、主に博物館の一角を占めるミュージアムショップをターゲットに定めています。博物館内に付設され例えば、文化遺産が国家威信に繋がると考える傾向の強い中国や韓国では、販売グッズも展示品をかたどった精巧なレプリカ(精密な原寸ないし縮尺模型)品が多く、芸術を愛してやまないイタリアやフランスでは、日常のファッション性を販売グッズに取り入れたオリジナル商品が目立ちます。いっぽう、イギリスでは教育に熱心です。なかでも幼児を対象とした就学前教育には、目を見張るものがあります。具体的には4〜7歳という低年齢の幼児へ、展示品に対する洞察力や考える力を育成する目的から、商品として、展示ブースと連動したワークシート教材等を数多く開発し、販売しています。“幼児ひとりで、どうやってワークシートをやるのか”って?実は、イギリスの博物館には“Family Learning”という理念があって、学芸員スタッフのみならず、一般の大人や、年上の兄姉達が一緒に参加する仕組みが整えられているのです! このように、海外の様々なミュージアムショップを調べることで、日本の将来の博物館運営にも大きく寄与できそうですね。そう考冒頭でも触れたように、皆さんの海外留学もまた、自身の将来を見据えた目的のある機会に繋げてほしいと期待しています。海外留学そのものの達成が、ゴールであっては困ります。大学での日頃の勉強や準備こそが大切、ということですね。ともに、愛媛大学法文学部で学ぼうとする皆さん方を、心より歓迎します。皆さんへのメッセージ国際交流委員の先生より海外のミュージアムショップ「ウィズコロナ、アフターコロナの国際交流」

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