愛媛大学広報誌 ドット・イーフォリオ vol.16
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|先生の研究の内容について、 教えていただけますでしょうか。 私は熱工学を専門としており、なかでも液中プラズマをテーマに研究を進めています。今でこそ世界を上げて「サスティナブル」という言葉がトレンドになっていますが、私は既に2000年頃から、ゼロエミッションによるサスティナブルなエネルギー社会を創造することを目指して研究していました。また、政府は2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させる「カーボンニュートラル」を提唱していますが、それでは大気中のCO2の新たな排出は無くせても、既にあるものを減らせはしません。私たちの研究室ではCO2の排出量より吸収量を増やす「カーボンネガティブ」|先生が愛媛大学の学生に 望むことはありますか。 私の研究室の学生には「文武両道」を求めています。両方できて初めて人生の幅が広がります。これまで我々の研究室は、学内の駅伝大会で何度も優勝しており、私自身は愛媛マラソンに10回連続出場しています。加えて学生には「日本のカリフォルニア」ともいえる住みやすい愛媛、愛媛大学で研究できる幸せを知って欲しいです。自然環境に恵まれている一方で、研究を進める上では不便を強いられることもありますが、不便だからこそ、創意工夫が生まれます。その証拠として愛媛県出身者からは3人のノーベル賞受賞者が誕生しています。私たちの研究室から4人目のノーベル賞受賞者を生み出したい、そんな後継者を育てていくことが私の今の夢です。もう一つ、ずっと関わっている航空力学研究会の活動や、えひめ学生起業塾の応援者を増やしていきたいです。学生の課外活動への理解を深める土壌も醸成していきたいですね。「宇宙戦艦ヤマト」が、私を科学の世界にストーリーと同様に2015年までにズマで分解して水素を取り出し、水素タイムマシン機能はありませんが、夢にという考え方で、ワクワクしながら研究に取り組んでいるところです。|研究者としての道を歩み始めた きっかけは何でしょうか。 子どもの頃に見た「ウルトラマン」や誘ってくれました。また映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」で、デロリアンがフュージョン(核融合エネルギー)により稼働していることに気づき、映画のデロリアンをつくることが目標になりました。結果、2011年に廃液をプラ自動車を駆動する実験に成功。さすがに一歩近づくことができました。の9学内駅伝大会で優勝!研究室は優勝の常連チームです。工学部 機械工学科熱及び物質移動学研究室4年生福田 真太郎さん 新型コロナウイルス感染拡大の影響で研究室に行く機会が少なかったのですが、そのような状況下でも、研究室の指導教員である野村信福先生からは、人間としての心の熱さを感じました。そしてエネルギーがある人でないと人に熱を与えることができないのだと身をもって感じ、私も熱意をもって物事に取り組むよう心掛けたいと思うようになりました。液中プラズマ発生による「廃液」分解実験中です。模擬公開実験中!水素ってなんぞなもし!愛媛マラソン完走!毎年、アスリート枠で参加してます。[プロフィール]石川県出身。1993年豊橋技術科学大学工学研究科総合エネルギー工学博士課程終了。1994年愛媛大学工学部助手に着任、1999年助教授を経て、2007年より現職。えひめ学生起業塾顧問、日本機械学会熱工学部門運営委員、松山市スマートアイランドモデル分科会代表、一般社団法人えひめベンチャー支援機構代表理事などを兼務。プロレス好きで愛媛プロレス実況の経験もあり。リングネームはラッシャー輪島。座右の銘は「脱常識」。愛媛大学 大学院理工学研究科生産環境工学専攻 教授野村 信福むらしんふく人として学べたこと06

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