と思った狩猟。それを調べていくうちに、実はいろんな問題をはらんでいることを知りました。例えば、捕らえた害獣の肉や骨や皮などは、一部を除いて処分されていることが多いです。またジビエブームなどにより、猟師が注目されていても、それほど収益に結びついていないのが現状。それを解決したいという思いが募ってきて、狩猟で得られる資源に経済的な価値を付加できたらいいと考えました。お金が生み出せるのなら、さらに興味を持つ人が増えるに違いありません。愛媛県内における令和2年度の野生鳥獣による農作物被害額は約3億6千万円にのぼり、そのうち約7割はイノシシとシカによる被害だそうです。駆除された動物たちの肉や皮は、約9割が捨てられているのが現状です。 害獣から得られる資源の活用には、複数のメリットがあります。まず生き物の命を無駄にしないこと。そして農林業が受ける被害の軽減、さらにはこの事業に関わる人たちの経済的な効果。このように複数のメリットが得られるのが、起業の力なのだと思っています。起業した先輩たちを輩出しています。もちろん起業までは考えていなくても、何か現状を変えたいと思う学生がいれば、広く受け入れられる柔軟な組織にして行こうと思っています。バッグなどの商品開発を行っています。商品化にあたってはデザイナーや革門本 私は単にYouTubeで面白い渡邉 現時点で起業塾からは実際に門本 今、イノシシの革を使った佐野 私の母は看護師をしており、職人等の方々の協力を得ています。こうした取組が昨年12月、地域の課題解決に向けて、学生が考案したビジネスプランを表彰する愛媛グローカル・フロンティア・プログラムの「EGFキャンパスアワード2021‐2022」(愛媛県庁等主催)での最優秀賞受賞につながりました。まず第一歩というところですが、それに合わせて販路の拡大も進めています。学校の学びとはまた違う、良い学びをさせていただいている充実の日々です。私も看護の道を選んだのですが、起業塾に入塾したお陰で、あらためて看護が果たすべき役割を考えることができました。これからは現場での経験をしっかりと積んでいきますが、そのときに起業塾で得た多様な視点を生かしていきたいと思っています。 医学部は他学部との交流が少ないのですが、起業塾を通して他学部の友人ができたことはすごい収穫です。こうした人間関係も、今後に生かしていきたいですね。たいのですが、やはり学生の本分は大学での学び。起業塾は目的ではなく手段です。大学の手厚いサポートを受けながらいろんな選択肢や価値観を知り、スキルを身につける場なので、最終的に起業に結びつかなくとも得られるものはたくさんあります。もちろん明確な目標の下に起業したい人は一般社団法人ベンチャー支援機構や、経営者や弁護士などの外部メンターによる全面的なバックアップもありますので、興味のある人はぜひ参加してほしいです。渡邉 最後に、誤解のないようにし課題解決に向けた話し合い。塾生たちの集まり、コロナ禍で初対面の人も。Re-anima代表/農学部 食料生産学科3年生門本 玄さん 人間と野生動物の縄張りの境でやむをえず失われる動物の命を無駄にせず、資源に経済的価値を与えるというせめて人間の役に立つ形に変換できないかと考えたのがRe-animaプロジェクトの始まりです。自然の革ならではの良さをもっと生かした製品生産をしていけるよう、気を引き締めて取組むつもりです。【受賞歴】EGFキャンパスアワード2021-2022 最優秀賞受賞医学部 看護学科4年生佐野 涼香さん 私は、看護学生として学ぶ中で、「病気があったとしても、そうでないとしても、大切にしたい『こだわり』を守り抜くことの大切さ」を患者さんに教えて頂きました。そのこだわりは人それぞれです。趣味や得意なこと。愛する家族。友人。仲間。そのこだわりこそが、「自分らしさ」や「個性」に繋がると考えています。誰かの大切にしたいものを守り、支える。これが、人生をかけて、私が守り抜きたいものです。だからこそ、それぞれの場所で正しい解決ではなく「優しい理解」をする社会づくりを目指していきたいです。13輝く塾生ファーストペンギンに憧れてファーストペンギンに憧れて
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