愛媛大学広報誌 ドット・イーフォリオ vol.17
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マラリアワクチンの開発につながる研究を後に社会人として働き、PROSで学び直しをされていますが、大学に戻ってきた理由は。が専門誌に掲載・出版されることになり、恩師の高島英造先生と話をするうちに、「もっと研究を深めたい」という気持ちが強くなったんです。それで今春、博士課程へと進学しました。なるのが経済的な問題。愛媛大学では文部科学省の高等教育の就学支援新制度の対象機関になっており、金銭的な支援を受けることができ澤崎 湯口さんは修士課程を修了湯口 理工学研究科時代の研究論文澤崎 学び直しをする際、ネックにます。湯口さんもこの制度を活用したそうですね。こうしたサポートで学びの機会が得られるのは素晴らしいことだと感じています。れていますが、現在の研究の内容を教えてください。機能解明に取り組んでいます。将来的にはマラリアワクチンの開発につなげたいと願っています。の一つで、多くの人の命を奪っています。特に幼い子が被害に合っていますが、流行地域は経済的に恵まれていない地域。また原因となるタンパク質が複数種類あり、マルチなワクチン開発は困難とされています。二重、三重に困難が重なった澤崎 マラリア研究部門に所属さ湯口 マラリア原虫のタンパク質の澤崎 マラリアは世界三大感染症湯口 高島ラボで発見したワクチン澤崎 PROSの魅力は。湯口 たくさんありますが、抗体の澤崎 マラリアのタンパク質を人為人類の課題の一つですね。候補はかなり優秀で、世界から注目を集めています。そうした環境の中、研究に取り組む日々に大いにやりがいを感じています。ライブラリーが充実していることは研究にとってアドバンテージとなっています。的につくれるのは、世界的でもここだけですからね。また、マラリアに限らず、PROSは人のタンパク質約2万8000種のほぼ全てを揃えています。さらにスクリーニング技術も独自開発し、自動分注装置などの機器も充実。これを活用して、世界を驚かせるような成果を生み出してください。|社会人経験を経てPROSで学び直し|マラリアワクチンの開発に   つながる研究へと邁進|世界が注目するコムギ無細胞タンパク質合成法full of live information on Ehime University本学で開発されたコムギ無細胞タンパク質合成技術を基盤として、タンパク質機能から生命現象の解明を目指し、基礎的な生命科学研究のみならず、その医学応用研究を行い、タンパク質科学の国際拠点形成、名病の新しい診断・治療法の開発を目的に設立。[センターの組織]タンパク質の生化学研究及びタンパク質複合体研究を支える基盤技術の開発を担う「基盤技術開発領域(8部門)」と、細胞・生体内疾患、感染症を対象に複合体及びインタラクトーム解析を推進する「複合体生命機能解析領域(6部門)」から構成されています。[教員、学生の人数等]澤崎センター長のもと、23人の教員、9人の兼任教員、2人の研究員、22人の研究支援者・研究補助員、博士課程22人、修士課程21人、事務職員2人、技術員2人、事務補佐員7人が所属しています。プロテオインタラクトーム解析共同研究拠点“PRiME”を支える先端研究センター愛媛大学プロテオサイエンスセンター(PROS)[センターの歴史と展望]特集「先端研究で世界とつながる愛媛大学 _共同利用・共同研究拠点_」12理工学研究科 博士後期課程1年生バイオセーフティーキャビネットでの実験風景。プロテオサイエンスセンター(PROS)センター長OF澤崎 達也VOICERESEARCHER湯口 貴聡さん

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