愛媛大学広報誌 ドット・イーフォリオ vol.17
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この標本では水晶(石英)の集合の中にハート型の日本式双晶が確認できます。平板状の二つの石英の結晶が主軸を84°33’だけ傾けて接合して双晶となっており、このような双晶の標本が明治期に日本から世界に出回って有名になったので、“日本式双晶”と呼ばれるようになりました。特に山梨県の乙女鉱山産のものがよく知られていますが、この標本は日本有数の錫鉱床である大分県豊後大野市の豊栄鉱山から産出した珍しいものです。石英の群晶とともに、金属光沢を持つ硫砒鉄鉱や、六面体でサイコロ状の蛍石が共生しているこの産地ならではの個性的な標本です。豊栄鉱山からはかつて多様な鉱物が産出しましたが、1975年に閉山し、現在ではこのような標本を入手することは困難となっています。〒790-8577 愛媛県松山市文京町3番TEL:089-927-9022 MAIL:koho@stu.ehime-u.ac.jp編集・発行/愛媛大学広報室 2022年9月 発行COLLECTION大分県豊栄鉱山産の石英の日本式双晶愛媛大学ミュージアムEhime University Museum

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