愛媛大学広報誌 ドット・イーフォリオ vol.17
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full of live information on Ehime University特集「先端研究で世界とつながる愛媛大学 _共同利用・共同研究拠点_」双晶面双晶面8になることを期待しています。 コロナ禍では、苦肉の策として代理実験やリモート化も進めました。リモート実験については、独自の超高圧装置制御システムの開発により、コロナ禍でも拠点活動の継続に重要な効果を得たとして、学長特別賞を受賞しました。あくまでも実験や分析は研究者自身がやるべきものと考えていますが、一つの可能性につながったと考えています。先進超高圧科学研究拠点PRIUS拠点長西原 遊ORANGEマルチアンビル超高圧発生装置1000トン駆動の分割柱型(ORANGE-1000)、2000トン駆動の分割球型(ORANGE-2000)、3000トン駆動の分割柱型(ORANGE-3000)の3機を備える。BOTCHAN6000トン駆動大容量超高圧合成装置世界最大級の6000トン駆動のマルチアンビル装置(BOTCHANと呼称)。大容量の試料部(1㎤以上)への荷重が可能。MADONNAⅠ・ⅡⅠ:D-DIA型超高圧変形装置Ⅱ:DIA型焼結ダイヤモンドビル超高圧装置MADONNA-IはD-DIA(変形DIA)型で、通常のDIA型加圧機構に加え独立制御の上下二方向Dラムにより、試料空間内での三軸変形実験を高圧力下で行うことが可能。FE-SEM走査型電子顕微鏡(電界放出型)数万倍以上の高倍率下での高分解能観察が可能な電子顕微鏡。主に高圧実験からの回収試料の極微小領域の組織観察・化学組成分析に用いる。TEM透過型電子顕微鏡(熱電子銃型)試料の微細組織観察や化学組成分析に用いる。表面組織を観察するSEMとは異なり、電子線の透過・回折像から試料内部の微細組織や結晶構造分析を行う。汎用並列クラスター計算機超高圧下の物質の構造・物性を解明するための第一原理電子状態計算、地球・惑星内部のダイナミクスを再現するシミュレーションなどに用いる。[ 愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)設置装置 ]世界を先導する超高圧下の変形その場観察実験微小試料分析装置数値シミュレーション用計算機(ACS Nano誌2021年4月30日発表)シカゴ大学・燕山大学・愛媛大学地球深部ダイナミクス研究センター(GRC)共同研究シカゴ大学、燕山大学、GRCの共同研究で、米国アルゴンヌ国立研究所の大型放射光施設APSの放射光X線と変形DIA装置を利用して、ナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)を試料として高温高圧において変形その場観察実験を行なった。その結果、ヒメダイヤは通常の多結晶ダイヤモンドの値の2〜3倍にあたる20GPa前後の非常に高い強度を持つことを明らかにしたほか、塑性変形のメカニズムが通常の転位すべりではなくナノスケールの{111}双晶変形によることなど、この高硬度物質の多くの特異な性質が発見された。超高圧実験装置ナノ多結晶ダイヤモンド(ヒメダイヤ)変形DIA装置双晶変形(一部)次代をリードする若手研究者を手厚くサポート PRIUSでは、若い研究者を強く応援するため、新たに若手提案共同研究(設備利用型・一般)」の公募を始めました。大学院生または博士の学位取得後8年未満の若手研究者が研究代表者として提案する共同研究で、研究代表者が旅費支援や一部装置の利用回数に関して優遇措置を受けることが出来ます。若い研究者が、愛媛大学の研究者との交流や最新の装置の利用を通じて大きな研究成果を挙げ、今後羽ばたいていく手助けヒメダイヤの塑性変形と高硬度化のメカニズム

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