ニワトリの摂食調節機構を明らかにするニワトリのストレス反応機構を明らかにする教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 農業生産学コース動物は体外から栄養素を摂取しなければ、成長はおろか生命を維持することもできません。かといって栄養素を摂取しすぎると肥満になり健康を保つことができません。畜産の場合だと、家畜に与えた餌の栄養素がきちんと利用されず無駄になることを意味します。餌の栄養素を十分に利用させるためには、まず家畜の摂食行動を十分に理解する必要があります。摂食行動は、体内のエネルギーや消化管の情報が脳に送られ、脳にある特定の神経ネットワークがはたらくことで調節されていると考えられていますが、その仕組みには謎が多く残されています。その謎を解明して、ニワトリをより効率的に生産するのが私の研究の目標の一つです。動物の身の回りには、温度(暑熱や寒冷)や病原菌など様々なストレス因子があります。これらのストレス因子は動物の成長に甚大な被害をもたらすことも少なくありません。家畜のストレス反応機構が明らかになれば、ストレス因子がもたらす負の影響を軽減できる可能性があります。しかし、ニワトリのストレス反応機構は未だ完全には解明されておりません。ニワトリのストレス反応機構を解明して、ニワトリを脅かすストレス因子の悪影響を減らすことが私の研究のもう一つの目標です。いずれの研究でも、動物の行動観察や、体温などの生理状態の調査、体内の神経伝達物質やホルモンなどの分泌量の測定、遺伝子発現解析を中心に研究を進めています。橘 哲也 教授畜産学ニワトリの摂食量の違いが成長の違いにつながるストレスに関する神経伝達物質を脳室内投与してその後の行動を調べる11ニワトリの効率的な生産を目指すキーワードニワトリ、成長、ストレス
元のページ ../index.html#13