種を記載する多様性情報を整理する教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 農業生産学コースキーワード生物多様性、分類学、昆虫地球上に数千万種は生息するといわれる昆虫類は、最も種多様性が高い生物です。日本からも毎年100種を超える新種が見つかっているほど、身近に新しい発見が眠っています。私は昆虫類の中でも最も種多様性が高い甲虫類を研究してきました。日本だけでなく海外にもフィールド調査に行きます。また、博物館に保管されている標本も調査します。そうやって自身で採集したサンプルや博物館試料を調べることで多くの新発見をしてきました。これまでに300種を超える新種を発見・記載しましたが、まだまだ手元には論文を公表し名前を付けなければいけない種がたくさん残っています。農業害虫が多く含まれるアブラムシは、日本から800種程度が知られていますが、種の識別が難しいグループです。寄主植物の種類、寄生部位、生きている時の色彩などが種の識別に重要ですが、標本とそれらの情報をどう管理するかが難しい課題でした。そこでアブラムシの標本、データ、そして生きている時の写真の3つを整理・管理する方法を作り身近なアブラムシ相を調査しました。その結果、四国から100種程度しか知られていなかったアブラムシを200種以上記録し、日本からこれまで知られていなかった外来のアブラムシも発見することができました。この方法を他のグループにも応用し生物多様性の解明に貢献したいと思っています。吉冨 博之 准教授環境昆虫学最近発見した新種多様なアブラムシ13昆虫類の多様性を探る
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