食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻発酵食品の微生物が産生する抗菌物質の機能解析微生物発酵による農産廃棄物からの有用物質生産教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生命機能学専攻 応用生命化学コース46丸山 雅史 講師微生物学食品や医療、養殖、畜産など私たちの生活に関わる様々な産業分野において、微生物汚染対策は重要な課題です。納豆、鮒ずし、くさやなど古来習慣的に食されてきた日本の伝統的発酵食品の保存性には、発酵微生物の働きが大きく貢献しており、その中にはバクテリオシンという抗菌物質を作る微生物も時々みられます。バクテリオシンとは、タンパク質性で安全性や抗菌作用、安定性など既存の抗菌剤とは異なる利点があることから、近年注目されている物質です。そこで私たちは、様々な発酵食品からその生産微生物の分離と物質の構造や性質の解析をふまえ、応用にむけた検討や、そもそも発酵食品の保存性にどのようにかかわっているのか、そのしくみを調べていきたいと考えています。農産物の生産過多、規格外品や加工残渣、また食品ロスなど社会的に食料食品の廃棄が問題となっています。野菜、果実など農産物の有機成分で多くを占めるセルロース、ヘミセルロース、ペクチンは、特別な処理を加えることで微生物の栄養源となり、その結果生産される有機酸、アルコール、生理活性物質など有用物質を得ることが可能となります。そこで農産廃棄物利用の観点から生産技術の確立を目指し、食品素材に適合する微生物株、例えば麹菌や酵母、乳酸菌などを自然界から探し出し、培養条件や酵素生産の最適条件などの試験を行っています。納豆菌が病原細菌の増殖を阻害する様子ミカン果皮上で生育する麹菌微生物の働きを生活に役立てるキーワード発酵食品、抗菌物質、バイオマス利用
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