食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻タンパク質は液胞内で分解された後どうなるのか?有用成分を細胞外に排出して効率に生産する教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生命機能学専攻 応用生命化学コースキーワード液胞、オートファジー、トランスポーター細胞は周りの栄養がなくなると、細胞の中の様々な成分を液胞に運び込んで分解します。これがオートファジーとよばれる現象です。例えば、タンパク質は分解されるとアミノ酸になりますが、その後どうなると思いますか?周りに栄養がないので、液胞から取り出して再利用しているはずです。このことを実験的に証明するためにはアミノ酸を液胞からサイトゾルに排出するタンパク質(アミノ酸トランスポーター)を見つけ、その遺伝子を破壊したらどうなるのかを調べなければなりません。私たちはこのアミノ酸トランスポーターをすでにいくつか見つけており、それらを同時に破壊すると細胞に何が起きるのかを調べています。私たちは、アミノ酸などの有用成分を細胞外に排出させることを目指しています。アミノ酸が細胞外に排出されると、細胞は常にアミノ酸不足となり、原材料さえあればアミノ酸を合成し続けると考えられます。アミノ酸を液胞内に取り込むトランスポーターの場所を液胞膜から細胞膜へと場所を変えればアミノ酸は細胞から外に排出されるはずです。細胞はアミノ酸以外にも多様な有用成分を合成しトランスポーターによって液胞内に蓄積しますので、原理的にはアミノ酸以外の有用成分にも応用可能と考えています。トランスポーターの局在を変えることによって、より効率的な物質生産システムにつなげます。遺伝子制御工学関藤 孝之 教授※農学研究科研究グループ(ARG)「生命機能科学応用開発グループ」メンバ−酵母のオートファジー酵母の液胞膜と細胞膜に局在した蛍光タンパク質の観察49液胞を知る!活かす!
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