食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻タンパク質の局在局所葉緑体におけるロジスティクスを解明する教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生命機能学専攻 応用生命化学コースキーワード葉緑体、代謝、タンパク質52細胞分子機能学秋田 充 准教授細胞の中は、細胞小器官とよばれる生体膜に囲まれたいろいろな区画があり、それぞれの細胞小器官では、各々に特有の化学反応(代謝)が行われています。代謝には、タンパク質(酵素)の関与が必要不可欠ですが、タンパク質は、細胞小器官の外側の細胞質ゾルで合成されます。すなわちタンパク質は細胞小器官の外で合成されてから、そのタンパク質を必要とする細胞小器官に移動するわけです。植物の代謝の中心であって、多種多様な代謝産物を産み出す細胞小器官である葉緑体も例外ではありません。私は、どうやってタンパク質が細胞質ゾルから葉緑体に輸送されるのか、といった葉緑体のタンパク質の適材適所の仕組みの解明に取り組んでいます。葉緑体で光合成が行われています。一方、葉緑体では、光合成によって産み出された分子や、葉緑体の外から取り込んだ分子を原料として、植物自身、そして、私たちの生命を支える多種多様な分子が合成(代謝)されています。さらに、これらの分子は、葉緑体を出て、植物のいろいろな場所に移動することで利用されます。すなわち、葉緑体のはたらきを理解する上で、原料の仕入れから始まって、製品化、流通するまでの流れとそれらの管理を意味する「ロジスティクス」は非常に重要です。私は、葉緑体における代謝とともに、原材料の取り込み、代謝産物の排出のメカニズム、すなわち「ロジスティクス」を明らかにする研究を行っています。葉緑体への蛋白質輸送の概要オーラプテンの生合成葉緑体を探求する
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