食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻熱帯泥炭湿地林の生物多様性維持機構教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2熱帯泥炭湿地火災に関する研究生物環境学専攻 森林資源学コース熱帯多雨林は生命の宝庫と表現されることもあり、様々なタイプの森林があります。中でも熱帯泥炭湿地林とよばれる森林は、水が溜まりやすい場所で植物遺体が水に浸かったまま分解せずに堆積した泥炭とよばれる土の上に成立する森林です。つまり、何百年〜何千年ものあいだ、樹木の枝・葉を水に浸してできた土が泥炭で、その上に樹木が芽を出して成長し、森林となったものが泥炭湿地林です。ときにはこの泥炭の厚さは20mにも達します。この泥炭湿地林は東南アジアに多く分布します。インドネシアの泥炭湿地林において植物の営みが、何故維持されているのかということを樹木の開花・結実や成長、そして物質循環的観点から解明を行っております。インドネシアでは1990年代に泥炭湿地林を伐採し、農地へと転換する政策がとられました。この際に、排水路を掘ることによって土を乾かし、樹木を伐採します。泥炭は植物遺体が水に浸されてできた土です。この土が乾くと、単なる枯れ木・枯葉・枯れた根が集まったものとなります。この集まったものは燃えやすく、乾季にはこの土が燃えます。この火災は、地球温暖化を促進するだけでなく、発生する煙に伴い住民の健康も脅かします。この煙は国境を超えるため国際的な問題にもなっています。本研究室ではこのような火災がなぜ生じるのか、どのような条件で生じるのか、といったことを現場や実験室での研究を通じて解明することを試みております。嶋村 鉄也 准教授森林資源生物水面にうつる泥炭湿地林泥炭地の火災59泥沼の底ではいずりまわるキーワード森林生態、熱帯泥炭湿地林、生物多様性
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