愛媛大学 農学部・農学研究科 教員紹介パンフレット 2023年度
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻ドローンを用いた高層湿原の三次元形状解析流域特性と降雨の時空間分布を考慮した水害リスク評価教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生物環境学専攻 地域環境工学コースドローン(無人航空機)に搭載されたカメラで上空から撮影し、SfMという技術を用いて解析すると、数cm〜mm単位という高い精度で地表面の形状を3D化することができます。図はドローンによる空撮画像から作成したある高層湿原の標高分布を示しています。青色が濃い場所は標高が低く水が集まりやすく、緑や黄緑色の場所は標高が高く、乾燥しやすいことがわかります。この湿原では、人間活動や気候変動などの影響で、湿地の乾燥化が進んでいるため、これを本来の湿地環境に戻す取り組みを進めています。さらに、湿地環境が保全されることで、生態系や水資源にどのような影響がでるのかも調べています。近年の温暖化に伴って、これまでの想定を超過するような豪雨が頻発し、ダムなどの治水施設の能力を上回る規模の出水によって、甚大な洪水被害が各地で発生しています。前線や台風などによる豪雨の際には、流域に対する雨域のかかり方や移動の仕方によって、河川に流出する水が集中し、中・下流地点で流量が著しく大きくなり、大規模な氾濫につながる可能性があります。こうした潜在的に起こり得る水害の可能性を、いかに想定し事前に対策を考えるかが、将来の破局的な被害を回避する上で重要になります。そこで、全国の主要な河川流域を対象にして、気象条件や流域特性に着目した水害リスク(洪水発生ポテンシャル)の評価を行っています。佐藤 嘉展 准教授地域水文気象学高層湿原の数値標高モデル西日本豪雨時における肱川周辺の雨量分布79水害を防ぎ、水資源を有効に利用するキーワード水文・水資源、気候変動適応策、降雨流出解析

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