福井県立大学広報誌 FPU NEWS 第118号 2023 春号
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アラレガコ左から丸山千登勢准教授、武内大和さん、マイクローブケム合同会社代表 坂本祥宏氏、濱野吉十教授 生物資源学部濱野吉十教授、丸山千登勢准教授、生物資源学研究科生物資源学専攻博士後期課程3年武内大和さんらの研究グループは、微生物(細菌)によって生産されるポリマー化合物が動物細胞の細胞膜を極めて効率良く透過することを世界で初めて証明しました。 細胞内部の異常が原因で起こる疾病に対しても有効なバイオ医薬と抗体医薬への利用・応用およびバイオ材料のコーティング材としても期待されており、本学発のベンチャー企業「マイクローブケム合同会社」で社会実装が進められています。 1月12日(木)、北陸福井あわら温泉美松で森川峰幸教授の地域農政学研究室に所属する創造農学科の学生5人が開発したトマトソースのレシピ発表会を開催しました。 このソースは2024年春の北陸新幹線福井・敦賀開業に向けた地域の魅力発信のために県と共同で開発したもので、地元坂井地区の農畜産物をふんだんに使用しています。今後は、農家レストランでのメニュー化をはじめ、県大マルシェや地元賑わい施設での販売を目指していく予定です。 1月26日(木)、27日(金)、九頭竜川に生息する魚「アラレガコ」やその食文化を知り、親しんでもらうため、県大レストランで「九頭竜川アラレガコ伝統文化を守る会」によるアラレガコの試食が行われました。唐揚げを試食した学生からは「サクサクしていておいしかった」「初めてアラレガコのことを知った。もっと食べてみたい」などの感想が聞かれました。 アラレガコの生息地が天然記念物になっている九頭竜川流域では、河川環境の変化等により生息数が激減し、アラレガコ食文化も消滅の危機にあります。こうした中、海洋生物資源学部田原大輔教授がアラレガコの養殖の研究を進め、短期間で成魚に育てる養殖技術を確立しました。養殖によるアラレガコ食文化の復活を目指しています。 3月10日(金)、3月末で退職する地域経済研究所南保勝所長による最終講義がアオッサ県民ホールで開催されました。「地域再生の未来像〜域内産業の歴史経路から未来の在り方を考える〜」をテーマにした講義や県内企業経営者等を迎えたパネルディスカッションが行われ、福井の産業の未来について語られました。 また3月29日(水)、同じく3月末で退職する池下譲治特任教授による最終講義が本学永平寺キャンパスで開催されました。「グローバルビジネスの流儀〜『郷に入っては郷に従え』で本当に良いのか〜」をテーマに新時代のグローバルビジネス経営戦略等について語られました。 2022年11月25日(金)〜27日(日)、本学永平寺キャンパスで植物化学調節学会第57回大会が開催され、生物資源学部仲下英雄教授が植物化学調節学会賞を受賞しました。 受賞タイトルは「全身誘導性植物免疫の多様な植物ホルモン類による制御機構に関する研究」で、イネの病害防除に広く活用されている全身獲得抵抗の誘導や抑制が複数の植物ホルモンで調節される仕組みを解明し、別の植物ホルモンが働く植物免疫の新しい仕組みを見出した成果が評価されました。これらの成果は、イネ以外の作物も含め、植物免疫をコントロールして殺菌剤に頼らない環境低負荷型防除技術の開発に貢献すると期待されます。 3月17日(金)、18日(土)、静岡大学で日本育種学会令和5年度春季大会が開催され、理化学研究所イオン育種研究開発室阿部知子室長、生物資源学部風間裕介教授、宮崎大学農学部平野智也准教授のグループが日本育種学会賞を受賞しました。 受賞タイトルは「重イオンビームによる育種技術の開発」で、研究グループは重イオンビームを植物や微生物に照射して突然変異を誘発し、新品種を作出する技術開発を行ってきました。この長年にわたる基礎研究および社会実装の優れた成果が高く評価されました。微生物由来のポリマー化合物が細胞膜を効率よく透過することを証明 〜医薬品開発への応用に期待〜北陸新幹線福井・敦賀開業に向けて魅力発信!学生考案のトマトソースレシピ発表会を開催学生たちが福井の食文化「アラレガコ」を試食地域経済研究所 南保所長・池下特任教授最終講義を開催生物資源学部 仲下教授が植物化学調節学会賞を受賞!生物資源学部 風間教授が日本育種学会賞を受賞!6FPU トピックス

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