福井県立大学広報誌 FPU NEWS 第120号 2023 秋号
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先端増養殖科学科では、増養殖について体系的に学び、学んだことを養殖の現場で実行する実習に力を入れています。先端増養殖科学科ならではの実践的な授業を一部ご紹介します!地域・国内だけでなく世界で活躍する人材を育成する水産増養殖分野の技術とシステムの革新を引き起こす研究成果を社会実装することが共通した目的水産増養殖が果たす社会的役割とその潜在力を理解することを目的とした専門導入のための実習です。実習では、水産増養殖と社会のつながりを講話だけでなく、実際に経験します。例えば、小浜湾で若狭高校の「雲龍丸」を用いた海洋観測、三方五湖でのシジミ漁獲体験、九頭竜川でのアユの人工採卵などの体験型の実習を行います。また、ヒラメ陸上養殖施設の見学や「クラゲ水族館」館長と起業に関する懇談会なども実施しました。これらの実習の成果は、前期と後期に各1回、「自分たちが大学でやりたい研究」としてプレゼンテーションしてもらっています。三方五湖でシジミ漁獲体験未利用魚活用の調理実習魚介類の養殖では人工的に生産した稚魚や幼生を用いて養殖が行われることが多く、飼育下で稚魚や幼生を育成する技術が必要となります。実験の前半では、ふ化直後の稚魚を育成するためには餌料生物(ワムシやアルテミア幼生の動物プランクトン)を安定的に給餌する必要があるため、簡便かつ正確な餌料生物の計数および培養する技術の習得を行います。後半では、カキ養殖のためのマガキの人工種苗生産技術を体験します。次いで、天然採苗の時期には、小浜湾で幼生調査を行い、実際に採取した試料を使って、マガキの生産方法を習得します。マガキ用付着器を回収マガキの稚具を観察本実習は、養殖生産を中心に水産養殖業に関わる職種を経験し、今後専門科目を履修するための実践的な知識を身に付けることを目的としています。多くの学生は、水産増養殖に対して強い関心を持っていますが、水産業と直接の関わりを持つ機会はほとんどありません。そのため、産業としての水産養殖業の実態を理解できていないのが現状です。本実習を通して、水産養殖業の現場を体験し、理解を深めると同時に課題とその解決策について考える契機になることを目指しています。実習先は県内が中心ですが、他県の大規模養殖場に参加することもできます。陸上養殖のヒラメに手まき給餌養殖インターシップⅠ 報告会教育研究産業先端増養殖科学科の特長海洋生物資源学フィールド演習水産増養殖が持つ多面的な役割を体験する増殖学実験実験室で種苗生産の基礎を学ぶ養殖インターンシップⅠ水産養殖の実践現場を実体験して課題を考える4現場で学ぶ!水産増養殖

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