一般教育共通教育センター 渡邉 浩一 准教授共通教育センター 亀田 勝見 教授哲学者たちのテクストを手がかりに自身の世界観・人生観を探る哲学の授業の目的は、参加者が自ら哲学することにあります。しかし「哲学する」とはどういうことか──これもまた哲学の対象となりうる事柄ですが、ひっくるめて世界と人間のあり方に関わるさまざまな問いについて、古今の哲学者たちのテクスト──例えばプラトンの『パイドン』やデカルトの『方法序説』──に即しつつ自分なりに考え、そして彼らのスタイルに学びつつ自分なりに表現してみましょう。そのとき哲学の教室はあなたにとって数ある講義の一つというだけでなく、自己表現を通じた自己認識の場ともなることでしょう。原典とパロディ作品の比較を通して小説をとことん楽しむ森見登美彦『新釈 走れメロス 他四□』は、中島敦「山月記」をはじめとして芥川・太宰・坂口安吾・森鴎外といった、日本近代文学史上よく知られた作家たちの短□を下敷きにしたパロディの連作作品集。主人公たちは、現代の京都で右往左往する大学生に置き換えられています。物語中国を学んで日本を知る古を知って今を考える漢字・儒教・仏教など、日本では今もなお古代中国から取り入れた文化が大きな影響力を持っています。この授業では、日本文化を構成する重要な一要素として古代中国の思想を紹介します。例えば「お天道様はお見通し」という考え方は、古代中国から続く「天」観念と密接に関連します。人の本質の分析(性善説・性悪説)や、「よき生き方」の話なども、この思想抜きには語れません。これからの社会を考える際、自らに根付く自然観や倫理観を把握しておくことも大切です。自分をより深く知るために、中国の思想を学ぶことをおすすめします。哲 学教養ゼミ(パロディを読む)共通教育センター 木村 小夜 教授東洋思想世界の中での自分の位置を知る一般教育科目例共通教育情報はこちら自体を楽しみながら、元の作品のどこがいかに書き換えられ、そこにどんな意味があるのか、パロディという方法にどんな意義を見出せるのか、詳細に比較しながら皆であれこれ探っていきます。本学が教養教育を通して目指すのは、多様な知識を有し、確固とした視点に基づく的確な判断を下し、行動することができる人間の育成です。各学部の専門教育と連携しながら、総合的な視野を育てる教育を提供します。59一般教育
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