群馬県立県民健康科学大学大学院 2020
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 私は昨年本学の診療放射線学科を卒業し、信州大学医学部附属病院に就職すると同時に本学大学院に進学しました。週5日働きつつ、大学院生として研究等に打ち込む日々を送っています。 なぜ就職と同時に大学院に進む選択をしたのか、と問われることがよくあります。大学院入試を受けた理由は、学部のとき研究と研究室が楽しかったから、病院以外に頑張る居場所をつくりたいと思ったから、でした。きっかけは小さく何気ないものでしたが、進学してよかったと感じています。 社会人1年目と大学院1年生との両立は、精神的・体力的・時間的余裕がなく大変でしたが、得るものも大きかったです。実際に臨床の場に出なければ現場の問題点や需要、医療全体のシステム等はなかなか見えてきません。同様に、大学院という「研究をするための場所」に身をおくことで、一歩進んだ勉強や研究、それに伴う学会発表等を経験することができました。「臨床の場にいながら研究をする」ということの重要性を実感した1年でした。 私は、医療画像に対して深層学習を応用する研究をしています。技術の発展が著しく難しい分野ですが、やりがいや楽しさも感じられるようになってきました。めげてしまいそうになるときもありますが、指導していただいている先生方のおかげで充実した毎日を送っています。医療への貢献の証をひとつでも多く残し、願わくは世界でも活躍出来る人材になれるよう、日々努力していきたいです。診療放射線学研究科 在学生の声大学院1年生 & 社会人1年生丸山 朋子さん 〈信州大学医学部附属病院勤務〉診療放射線学研究科 診療放射線学専攻 放射線画像検査学(2018年度入学)博士前期課程 私は大学卒業後、放射線治療業務に専従できる環境にある愛知県がんセンターの放射線治療部に入職しました。諸先輩方から放射線治療に関わる多くの知識・技術を学ぶ一方で、30歳を過ぎてからは臨床業務だけでなく研究業務についても系統的に後進を育成するための能力が必要であると感じ、本学博士後期課程進学を決意しました。 大学院では、放射線の入射角度を制限した頸部食道がん高精度放射線治療計画について、患者さんの動きによる腫瘍および正常組織の線量分布の変化を定量化し、許容できる動きを同定する研究をしています。指導教員を始め、大学院の教員・先輩方の指導のお陰で1年次に2本の論文を海外に発信することができました。 今後は、さらに優れた放射線治療を患者さんに提供できるように系統的な後進育成はもちろん、多くの方と共同研究し、成果を海外に発信することで、診療放射線技師の学術的地位向上に少しでも貢献できればと思っています。清水 秀年さん 〈愛知県がんセンター勤務〉診療放射線学研究科 診療放射線学専攻 放射線治療学(2018年度入学)後進育成博士後期課程9

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