群馬県立県民健康科学大学 大学院 2021
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 私は入学前、副看護師長の役割を担い院内教育や臨地実習指導に関わっていました。副看護師長としてさまざまな看護師や看護学生の方々に関わる機会が増える中、今まで重ねてきた後輩指導の経験だけでは教育の展開に限界や不安を感じ、日々悩んでいました。また一方では、後輩看護師が日々発達していく過程をみて、やりがいや責任も感じ、より効果的に教育を展開できるようになりたいと考えていました。そのようなある日、研究成果を活用した教育の展開の重要性を学修し、自身でも研究に取り組み専門的な知識を修得したいと考え、大学院への入学を決意しました。現在では学業に専念し、副看護師長に関する研究に取り組んでいます。 大学院での研究及び学修は大変な労力を必要としますが、指導教員の先生方の丁寧な指導により専門的な知識を修得でき、非常に充実した楽しい時間です。大学院には、臨床の看護師や看護学教員として働きながら在籍している方もいます。個々の研究課題もさまざまです。このような多様な背景を持つ他の大学院生と交流を深めることで、多くの刺激も受けます。また、大学院生個々で背景は異なりますが、看護学の発展に向けた研究成果の産出を目指す同志であり、お互いに励まし合いながら学生生活を送っています。 今後は、多くの副看護師長の方々が活用できる研究成果を産出し、病院で提供する看護の質向上に貢献していきたいです。また、学修した専門的知識を活用して看護学教育に携わりながら、継続して現在の研究課題を発展させていきたいと考えています。 私は、もっとハイリスクな母子にも自信をもって看護できる力を身につけたいと思い修士課程に進学し、修了後母性看護専門看護師の認定を受け、臨床での看護実践に携わっています。母性看護専門看護師としてかかわる母子は複雑・困難なケースも多く、対応に課題を残すケースもありますが、試行錯誤しながら多職種とも協働し看護実践していくことにやりがいを感じています。しかし、日々母子とかかわる中で、なかなか自分の行った看護実践を可視化できていないことが自分の課題としてあり、博士後期課程へ進学し学ぼうと決意しました。 博士後期課程には、長期履修制度を利用し、職場の協力を得ながら入学しました。博士後期課程で学ぶことは、自分についていけるのか不安な反面、新たな気づきや知識を身につけられ、自分の考えや看護実践に活かすことができると感じています。 母子保健関係では、妊娠期から子育て期にわたるまでの切れ目のない支援として産後2週間健診の開始・産後ケア事業・産後うつのスクリーニングなど様々な取り組みがはじまっており、医療機関と地域との連携の重要性が高まっています。このような背景の中、早産となった母子の継続看護に関するテーマで研究することを考えています。妊娠から産後まで社会資源をうまく活用し、母子のニーズにあわせた安心して出産・育児できる支援体制を構築する一助となるような研究を考えています。病院で提供する看護の質向上に貢献看護実践を可視化し、さらに質の高い看護実践を目指して和田 卓磨さん 看護学研究科 看護学専攻 看護教育学領域(2019年度入学)立木 歌織さん 〈利根中央病院勤務〉看護学研究科 看護学専攻 機能発展看護学領域(2020年度入学)博士前期課程博士後期課程看護学研究科 在学生の声12群馬県立県民健康科学大学大学院 2021

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