令和6年度 岐阜大学 医学部看護学科
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4老年看護学は、高齢者とその家族への看護について考えていきます。日本は2025年には「3人に1人が65歳以上の高齢者」という超高齢社会になります。毎日のように高齢者問題や老化の問題が取り上げられ、さまざまな情報がもたらされています。しかし、高齢者の生活と健康の問題に関してかなり間違った知識や観念が普遍化し、固定化していることも事実です。そして、実際に歳をとってみないと分からないことも数多くあります。本分野では、高齢者の健康、心、生活について最新の正しい情報を伝え、看護の立場から高齢者にどう関わっていくかを考えていきます。高齢者自身のもてる力を有効に使い高齢者とその家族を支え、時には高齢者自身から教わりながら看護を展開していく方法を学んでいきます。基礎看護学分野では、講義・演習を通して看護の本質を探究し、併せて看護の対象に必要とされる基本的な看護技術について学習します。看護技術を身につけるためには繰り返し練習することが必要です。そのため学生が授業の空き時間を使って自主的に練習できるように実習室を開放し、教員が支援する体制を整えています。さらに岐阜大学医学部附属病院の臨床看護師と一緒に指導し、着実に質の高い看護実践能力が修得できるようにしています。また、対象の状況をアセスメントし、それに基づいた看護が実践できる能力を修得できるように事例を用いた講義と演習を組み合わせて授業を実施しています。広い視野でこれからの看護についても理解が深められるように看護管理や看護倫理を学習する科目も設けています。精神看護は、こころの健康・不健康に拘わらず、すべての人を対象とし、精神の健康保持・増進、疾病予防、疾病からの回復支援、精神障がい者の生活支援を目的に、地域や病院、福祉施設などさまざまな場所で展開されています。この精神看護の実践には、看護学だけではなく、心理学、人間関係学、精神医学、精神保健・福祉の法律や施策など幅広い知識と具体的に展開できる技術や行動力が必要であり、さらに、これらをバランスよく統合するためには、看護者自身の豊かな感受性や人間性が重要です。そのため精神看護学では、講義に実際の臨床事例を取り上げ、具体的な理解の視点やケアの展開を思考させたり、実習では病院の他に社会復帰関連施設での実習を取り入れて、学生の考える力や人間的な成熟の育成を目指しています。※一部の写真については2019年12月以前に撮影老年看護学地域看護学地域看護学は、乳幼児から高齢者までのあらゆる年代の人々を対象として、地域における健康増進・健康づくり・病気の予防・早期発見・早期治療・社会復帰といった様々な面から看護職としての役割、機能、活動方法とその理論を学習します。公衆衛生看護学の分野では、地域・学校・産業保健など自治体や企業での保健師の実践を通して、地域住民とのパートナーシップのもとで、地域特性に合わせた個人・家族、集団、地域全体への看護活動と協働のあり方を学習します。在宅看護学の分野では、訪問看護や入退院支援の実践を通して、在宅療養者やその家族の自立支援とQOLの維持・向上を目指した看護活動を学ぶとともに、施設内と地域の看護を結ぶ継続看護や協働のあり方を学習します。精神看護学地域生涯発達看護学成人看護学成人看護学分野では、成人期にある患者とその家族の看護を学びます。慢性期看護では、慢性的な病いや障害を持つ人が病気をマネジメントするなどしてその人らしく生活する看護を実践するうえで、有用な概念や具体的な看護方法について学びます。さらに模擬事例を用いた看護過程展開を習得した後、看護実践能力を高めるために病院での臨地実習を行い、慢性的な病いを持つ人への看護を順次的、系統的に学びます。急性期看護では、急性疾患や手術などの侵襲的治療によって健康状態が急激に変化する患者とその家族を包括的に捉え、患者の苦痛の緩和、早期回復のために必要な最新のエビデンスに基づく看護を学びます。また、高度急性期医療を提供する岐阜大学医学部附属病院の病棟・手術室・集中治療室・高度救命救急センターでの実習を通して、看護実践能力を養います。地域健康支援看護学基礎看護学

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