岐阜大学 応用生物科学部 FACULTY GUIDE 2024
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Applied Life Science研究室の詳細はこちら ■▶腸内細菌コミュニティの理解をめざして 腸内細菌とは腸管に棲む多種多様な細菌の総称です。彼らは、私たちの食事、生活習慣、体質などに応じて定着するため、ひとりひとり全く異なる腸内細菌コミュニティを形成します。コミュニティには頑強性(外的な影響によってもたらされる変化を拒む力)が備わっていますが、撹乱が続くと代謝、免疫、神経系などの疾患につながることも明らかになっています。私たちの研究室では、腸内細菌を培養することで、コミュニティ機能の解明に取り組んでいます。腸内環境を介した効率の良い健康管理の提案に繋げていきたいです。生体分子を可視化し生命現象を解く 生体は環境変化に応じ体内の物質の流れを変え、一定の状態を保ちます。この特徴は恒常性と呼ばれ、生体内に張り巡らされた化学反応によって実現しています。微視的には、酵素やタンパク質などの生体分子が原子レベルの識別能で反応相手を選び出し、分子間相互作用と構造変化を伴い化学反応を触媒します。研究室では、X線結晶構造解析やクライオ電子顕微鏡によって可視化した生体分子の三次元立体構造に基づき原子レベルで生命現象を理解し、その知見を予防医療や創薬アイデアにつなげることを目指しています。青果物の生理機構解明に基づく食品ロスゼロへの貢献世界で生産される青果物の30%以上が、収穫後(ポストハーベスト)の不適切な管理のために品質劣化により廃棄されると言われており、このロスを縮減することが世界的な課題となっています。私たちの研究室では、こうした青果物の収穫後ロスの縮減に寄与することを目指して、品質劣化のメカニズムを解明し、貯蔵・流通時の最適な品質保持技術の開発を行っています。それによって、生産者が丹念に育てた青果物を、最高の品質の状態で消費者に届けることができると共に、食品ロスゼロの実現にも資する研究を進めています。食素材化学研究室生体分子機能学研究室ストハポー9応用生命科学課程ベスト生理学研究室研究紹介

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