群馬大学医学部 入学案内2018
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2医療安全を進めるために必要不可欠なのが、多職種の連携だ。情報共有を基本としたチームワーク医療の重要性と、これからの医療人を育てる本学の特徴的な教育システムや、求める人材像について医学科、保健学科両学科長が語り合った。参加型教育に重点を置く医学科チーム医療で世界的に認められた保健学科石崎 医学科の学部教育では、医療の現場を早期に体験すること、自分で学習しながら問題を解決する能力を培うこと、医療チームの一員として患者さんの診療を体験することなど、参加型の教育に重点を置いて、教育システムを改革してきました。またグローバルな視野の獲得を目指して、複数の留学プログラムを用意し、単位認定もしています。さらに、MD- PhDコースを設置し、医学研究に興味をもつ学生が早期に大学院教育を受け、通常より短期間で医学博士の学位を得ることを可能にしています。1年生の必修科目である「医の倫理学」は、本学らしい非常に特徴的な講義だと思います。医の倫理はこうだ、と一方的に教えるのではなく、実際のケースを提示してどう思う? と考え方を訓練します。正解がある講義ではありません。考える習慣をつける上で有意義だと思います。また今年度医療の質・安全学講座を新たに設置しました。この講座は医学科、大学院医学系研究科において「医療の質・安全学」の教育を担当すると共に、附属病院の医療の質・安全管理部と連携して、医療の質・安全管理の実務に携わることになります。村上 保健学科は、1996(平成8)年に立ち上がり、翌年から学生さんを受け入れています。現在は、看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、臨床検査技師というメディカルスタッフの育成に力を注いでいます。立ち上げ時からずっと教育目標に掲げているのが「全人的医療」です。「全人的医療」とは、患者さんの疾患だけにとらわれず、心理面や経済面や社会面などを含めたさまざまな視点から、それぞれの患者さんに合った医療を提供しようというものです。本学科では「全人的医療」を達成するために最も大切なものは、チームワーク医療だと考え、その実習を行っています。本格的な実習が始まったのは1期生が3年生になった1999(平成11)年でした。そのときから毎年ずっと実施しています。最初は本学科だけで行っていましたが、今では選択科目ですが医学科の学生も参加しています。1つのチームは、看護専攻が4人、検査技術専攻が2人、理学と作業専攻が1人ずつ、医学科が2人くらいです。10人ほどが1つの模擬医療チームとなり、全部で10チームほどで実習をしています。実習先も高度先進医療、保健医療施設、精神医療施設、小児医療施設などの中から自分たちで決め、最後はそれぞれがやってきた実習内容を全体発表会で提示しています。これは、いろいろな施設のチーム医療を、学科全体で共有するために行っています。2008(平成20)年からは、同じようにチーム医療教育を重視してきた大学が集まり、これを広めていこうと組合のような組織、「日本インタープロフェッショナル教育機医療安全と多職種連携医学科長石崎 泰樹 (いしざき やすき)昭和56年東京大学医学部医学科卒業昭和60年東京大学大学院医学系研究科修了昭和60年岡崎国立共同研究機構生理学研究所特別協力研究員、日本学術振興会特別研究員昭和62年東京医科歯科大学歯学部附属顎口腔総合研究施設助手(~平成9年)平成 3年ロンドン大学ユニヴァシティカレッジ生物学部客員研究員(~平成6年)平成 9年神戸大学医学部助教授平成13年群馬大学医学部助教授平成15年群馬大学大学院医学系研究科助教授平成16年群馬大学大学院医学系研究科教授 平成29年群馬大学医学部長群馬大学大学院医学系研究科長群馬大学教育研究評議会評議員● 医学博士Gunma University Faculty of Medicine

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