群馬大学 医学部 入学案内2019
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3することが最も大切です。これが理解できるようになると、卒業後、職場に出ても、チームの一員として自分の意見をしっかり言えるようになると思います。総合大学という群大の形態そのものがチームワークの鍛錬石崎 本学は、総合大学。医学部以外に、教育学部、理工学部、社会情報学部があり、学生たちはサークルを通して学科を超えた交流をしています。特に医学部は、同じキャンパス内に医学科も保健学科もあって、医学部共通のサークルがありますから、普段の何気ない話の中から自然と他学科がどんな学びをしているか、どんな職種なのかが理解できる環境にあるのです。私が顧問を務めているオーケストラサークルでは、それぞれの楽器が個性を主張して音楽を作ります。どんなに一人の技量が優れていても自分以外のパートの出す音に耳を傾けてないと良いハーモニーは生まれません。医療も同じです。お互いがどんな機能を持っていて、その中で自分はどういう能力を発揮すればいいかを自覚しないと、良質の医療は提供できません。そういう意味でオーケストラは、非常に多職種連携のよい修練の場になると感じています。村上 納得できますね。石崎 多職種連携に関しては、圧倒的に保健学科の方が進んでいて医学科は追いつこうというスタンスです。先ほどお話したシンポジウムで、医療が発展していない国では医師と他のスタッフの間に敷居があるという話も出ました。日本も少し前まではそうでしたが、だんだんそのような意識や敷居がなくなってきました。医学科の学生にも、村上先生がおっしゃったようにお互いの独立性を理解して尊重し合って医療を提供できる人材になってほしいので、チームワーク実習を必修にする仕組みを作ろうとしています。村上 医学科の学生さん全員を対象に、チームワーク実習を実施するためには、県内の他の大学と協力した方が良いのでは、と相談しているところです。チームワーク実習で大切なのは、あまり大人数のチームにしないこと。意見が言いやすいように10人前後くらいがいいと思います。もう1つは、さまざまなメディカルスタッフが参加すること。今年から、高崎健康福祉大学の薬学部の学生さんが加わって下さり、今まで以上に充実した実習ができるようになりました。本学に薬学部はありませんが、医療の世界では、薬剤師さんの役割は非常に大切です。薬学の分野も非常に高度化、細分化しています。例えば、次々と新しい作用機序の薬剤が登場していますし、作用、副作用、配合禁忌など、注意すべき点もたくさんあります。医師は当然これらに対応しなければなりませんが、他にも様々な業務がありますので、追いつかないのが現状です。そこで、薬剤師の指示が大事になってくるわけです。チーム医療では、薬剤師さんはどのような考えを持って仕事をしているのかも理解しなければなりません。ですから、薬学部の学生さんもチームワーク実習に加わっていただきたかったのです。石崎 最近、医師の働き方改革が強く謳われています。その解決策の1つと言われているのが、タスクシェアリングとかタスクシフティングです。今まで医師が一手に引き受けていた仕事の一部を他の職種の方に代わってもらったり、共有してもらったりすると、過重な労働が軽減できるます。薬学を専攻している学生さんがチームの一員す教育対 談石崎 泰樹 医学科長×村上 博和 保健学科長保健学科長村上 博和 (むらかみ ひろかず)昭和53年 群馬大学医学部卒業昭和53年 群馬大学附属病院第三内科医員(研修医)昭和58年 群馬大学医療技術短期大学部助手昭和62年 群馬大学附属病院第三内科助手平成 3年 群馬大学附属病院第三内科講師平成 6年 群馬大学附属病院輸血部助教授平成 9年 群馬大学医学部保健学科教授平成13年 群馬大学大学院医学系研究科保健学専攻教授平成17年 群馬大学医学部保健学科学科長、副医学部長 (~平成21年) 群馬大学大学院医学系研究科保健学専攻長 (~平成21年)平成23年 群馬大学教育研究評議会評議員(~現在)平成25年 群馬大学医学部保健学科学科長、副医学部長 群馬大学大学院保健学研究科長● 医学博士

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