群馬大学理工学部・大学院理工学府 案内 2019
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原子の動きをシミュレーションする完全自動運転の実現を目指す美術 車を運転すること コンピュータの飛躍的な性能向上により、かつては非常に高価なスーパーコンピュータが必要とされた複雑な計算がPCでも実施可能になり、現在ではシミュレーションが機械や電子機器の設計にも随分と利用されるようになっています。私たちは、従来は物理学の対象であった原子レベルでのシミュレーションを、様々な工学上の現象に適用する研究を行っています。 微視的には物質は原子の集合体であるとの観点から、私たちは物質中の原子の配置や運動状態をシミュレーションしています。これにより、作動中の機械を構成する固体・液体・気体の微視的な状態やそれらの高速な変化を統合的に解析できます。最近の機械では、高性能化を意図して内部要素の微小化が進んでいるので、実験だけでは解明できない問題が増えています。原子レベルでのシミュレーションは、そのような問題に対する解答を与えるものです。 現在、世界中のカーメーカーやIT企業が、自動運転技術の研究開発でしのぎを削っています。近年では、自動運転を「あらゆる場所」で走行させるために、人工知能との融合など、複雑な仕組みが提案されています。そうした中で群馬大学では、あえて「地域限定・路線限定」にする代わりに、仕組みを単純化して信頼性を高め、早期に実用化を目指す技術アプローチをとっています。これは、特に日本では過疎地域の高齢者など、自動運転で「あらゆる場所」に移動するニーズより、スーパーマーケットや病院、駅など地域を移動するニーズの方が大きいと考えるためです。さらに、完全自動運転は、例えば移動するレストランやホテルなど、まったく新しいビジネスを生み出す可能性があります。また、それらを実現するためには新しい技術を必要とします。群馬大学では、単に自動運転技術の研究開発にとどまらず、自動運転に影響される周辺分野の完全自動運転対応のための技術やサービスの研究開発を様々な企業と連携して進めています。 美術品を見るのが好きです。美には時代を超えた普遍性があり、極限まで性能を高めた機械にはある種の美があります。仕事でコンピュータグラフィックスを作成しますが、美術を通して得た知識や経験が役立っています。 仕事は自動運転ですが、プライベートでは手動運転が大好きです。 大学時代は車やバイクを改造したり、一般道のみで日本横断・縦断したりと色々と無茶をしました。公道最後の手動運転の運転手になるのが夢です。准教授 相原 智康 Aihara Tomoyasu准教授 小木津 武樹   Ogitsu Takeki 社会で活躍するには、高校までとは異なり、記憶能力以外にコミュニケーションや知識・経験の統合化等の多様な能力が要求されます。学生の内に自分の能力の凸凹を知り、得意な能力で自己の弱点を補う努力が必要です。 皆さんは、完全自動運転の実現によって生活スタイルや社会構造が大きく変化する可能性のある世代です。群馬大学で自動運転を学び、一緒に未来を考えることで、皆さんに大きなチャンスをつかんでもらえればと思います。メッセージメッセージヒミツの特技ヒミツの特技19完全自律型自動運転システム実験車両超微小隙間における油による潤滑のシミュレーション

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