群馬大学理工学部・大学院理工学府 案内 2019
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材料のインターフェイスをコントロール「ごみ」をエネルギーに変える中国茶キャンプ わたしたちは「環境にやさしい方法で、材料のインターフェイスをコントロールする」をモットーにしています。プラスチック・カーボン・セラミック・金属など、様々な素材を操る技術を開発し、ナノ粒子をはじめとする新しい物質を種々創り出し、これを並べ、組み合わせ、役に立つ機能材料をプロデュースしています。 最近は特に、大気圧低温プラズマ発生装置の開発とこれを用いた様々な応用研究に力を入れています。プラズマとは、電気の流れる状態になった気体のことで、多様な反応を起こす力を秘めています。私たちが独自に開発したプラズマ発生装置は、CAPPLAT(上図)といい、大気圧下で40℃以下の低温プラズマジェットを発生することができます。処理対象物の形状や大きさに制限を受けずに、材料表面の性質を変えたり、殺菌・滅菌を行ったり、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)などの薄膜をコーティングすることができます。 このクリーンで低コストの技術に関しては特許を取得して、ベンチャー企業も立ち上げました。これからは、自動車産業、電気電子産業、食品産業、医療産業など、はば広い分野での活用が期待されています。 私たちは、毎日の生活の中で不要になった様々なもの、たとえば、お菓子の袋や生ごみなどを「ごみ」として捨てています。また、私たちの生活の場だけではなく、産業の場においても、さまざまな廃棄物がたくさん発生しています。近年の環境意識の高まりとともに、これらの「ごみ」を「資源」として見直す動きが活発になってリサイクルも進んできました。しかし、混合プラスチックなど、マテリアルリサイクルが難しいものや、経済的な理由でリサイクルされないもの(たとえば、林業で発生する間伐材の多くは、利用価値が低いため、切り倒されたまま放置されています)もあります。 私の研究室では、このようなマテリアルリサイクルの困難な廃棄物や未利用資源を積極的にエネルギーとして活用するための技術と社会システムについて考えています。たとえば、未利用のバイオマス資源のガス/液体燃料製造プロセスの開発や、廃塩ビと廃ガラスからセメント原料と、燃料を同時に製造する塩ビ・ガラス同時処理プロセスの開発等を進めており、これらを通じて新しいエネルギー、物質利用社会の確立を目指しています。 中国茶にハマっています。豊富なバリエーション。味はもちろん、ふくよかな香りが素晴らしい!家では、ウーロン茶とプーアル茶をブレンドして麦茶代わりに飲んでいます。美しい茶器も色々と集めたくなっちゃいます。 月いち程度で電波の届かない山奥にいって、自分で薪を割ってエネルギーを調達しながら生活しています。必要なエネルギーを調達するだけでも大変ですが、そのうち、食料も調達できたら面白そうなどと考えています。教授 黒田 真一 Kuroda Shinichi准教授 野田 玲治 Noda Reiji 人より苦手と感じたとき、無力感を抱かず、モチベーションを保てる力が大切です。逃げ出さず、人の助言に耳を傾けましょう。また、コミュニケーション力を高めて、いろいろな人と会い、影響を受けてください。 私が大学生だった時の指導教員は、私の好きなように研究をやらせてくれました。その経験が研究者としての原点になっています。「わからなければやってみる。」「誰も知らないことを知りたい。」その気持ちが大学を楽しむ秘訣だと思います。メッセージメッセージMessages from Professors教員からのメッセージ ヒミツの特技ヒミツの特技24CAPPLATのヘッド これでプラズマジェットを照射しますバイオマスガス化プロセスの実験風景

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