群馬大学理工学部・大学院理工学府 案内 2019
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 大学では新規ケイ素化合物を合成する方法を検討し、反応を繰り返してできた物質を同定するという合成研究を行っていました。 合成研究では反応時間に合わせて実験をするため、効率的な時間管理の仕方や、国際学会における英語での発表を通して効果的に人に伝える方法を学ぶことができました。 現在は日用品メーカーで消臭芳香剤や防虫剤などの製品の処方開発の研究を行っています。大学で研究していた分野とは違いますが、大学で学んだ知識や経験からヒントが得られることも多くあります。 また業務の中では並行していくつもの試験を実施し、報告するため、大学の研究で身に付けた時間管理の習慣や人に伝える経験が大いに役立っています。 大学生活は自由に使える時間がたくさんあります。ぜひその時間を活用し、積極的に行動して多くの経験をしてください。勉強、部活、人との関わりなど大学生活の中で得たこれらの知識や経験はどれも社会に出てから役立ちます。今しかできない多くの経験をしてください。 私は、小さいころから大好きなモノづくりを通して、社会に笑顔を届けたいと思い、本学科に入学しました。 大学の研究では、新薬の開発に役立てるために、新規タンパク質結晶化法を開発していました。このような研究は、誰もやったことのないことへのチャレンジです。自分のアイデアを実現するために、大学で学べる化学や生化学といった幅広い知識を複合し、失敗を繰り返しながら、研究を進めます。実際にアイデアを実現できた時の達成感は、素晴らしいものですよ! 現在は、モノづくりを通して、お客様に直接笑顔を届けられると考え、花王株式会社に入社し、化粧品の開発を行っております。化粧品の開発にも、化学(製品づくり)や生化学(肌への効果)といった視点が求められ、大学時代に得られた知識が今でもアイデアの創出・実現の原動力となっています。 皆さんも大学に入ったら、たくさんの事を学んだり、経験できる環境を活かして、『やりたいことを実現する第一歩』を踏み出してほしいと思います。積極的に行動して大学生活でしかできない経験をやりたいことを実現する第一歩!┃エステー株式会社 R&D部門 研究グループ第2チーム 研究員┃白石 絢子 博士前期課程 応用化学・生物化学専攻 平成24年度修了 (長野県上田高等学校出身)┃花王株式会社 開発研究第一セクター スキンケア研究所 研究員┃伊平 寛 博士前期課程 応用化学・生物化学専攻 平成24年度修了 (群馬県立桐生高等学校出身)OB・OGからのメッセージ化学・生物化学科物質・生命理工学教育プログラム/領域40開発に携わった商品。 右:現在は、ソフィーナ リフトプロフェッショナル ハリ美容液 EXに改良されている。

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