群馬大学広報誌 GU’DAY(グッデイ) 2020 Winter
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0102奥研究室では、「ダイナミックイメージコントロール」というコンセプトを提案して、高速画像処理や新規光学デバイスに基づく新しいタイプの映像利用技術を中心に研究を進めています。大学院理工学府 電子情報部門情報科学コース准教授 奥おく 寛ひろまさ雅 先生(博士(工学))『次世代の映像利用技術』 ダイナミックイメージコントロールは、文字通りダイナミックに映像の撮影や投影をコントロールすることを意味していますが、この説明のみではわかりにくいので、ここでは2つ例を紹介して説明します。東京大学大学院工学系研究科計数工学専攻博士課程修了。その後、東京大学大学院情報理工学系研究科 助手、東京大学大学院情報理工学系研究科 助教、東京大学大学院情報理工学系研究科 講師を経て、2014年より現職。【研究分野】高速画像処理、高速光学デバイス、ダイナミックイメージコントロール、トラッキング、サッカードミラー、液体レンズ、プロジェクションマッピングダイナミックイメージコントロールとは…?研究紹介 例えばサッカーや野球のテレビ中継を考えます。これらのスポーツでは、球や人が激しく動きまわるシーンが多く、カメラマンが人やボールにズームアップして映像を撮ることは至難の業でした。そのためこれまでは、カメラの画角を広く設定し、カメラの方向自体はゆっくり動かしながら全体の状況を撮影するか、もしくはある程度予測に基づいてカメラの方向を変えて、たまたまうまく撮影できたシーンを選択的に放送することでこの問題に対応してきました。 しかし、この従来の方法では撮影可能な構図は限定されることになります。そこで当研究室では、この問題を解決するために、1オートパン・チルト※1技術を開発してきました。※1 パン・チルト:カメラの向きを上下左右に動かすこと この技術は、ちょうどオートフォーカスが自動的にフォーカスをあわせるのと同様に、画面の中心に対象がくるように自動的にパン・チルト(カメラのレンズの向きを上下左右に動かすこと)方向を制御する技術です。ラリー中の卓球のように高速な対象でも、あたかも画面中央に球が止まっている事例その1ProfileThemaIntroduction to one of the GU Researchers !14| GU'DAY Issue 07

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