群馬大学広報誌 GU’DAY(グッデイ) 2020 Autumn
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A 血液検査学実習は名前のとおり、血液の検査のために行う学問です。感染症がひどくなったり出血傾向があったりして、ようやく病院に来る患者さんが多かった昔と比べると、現在は医療へのアクセスが容易になったため、健康診断や人間ドック、かかりつけ医にかかることによって、検査によって病気の初期に異常を見つけることができるようになりました。血液検査学は診断の治療と密接に結びついた、重要なものであるといえます。筒井 ありがとうございます。では、質問にいきたいと思います。Q2 先生の考えるこの授業の必要性とは  どんなところですか?A 血液内科医なので、白血病、骨髄腫などの血液の病気を抱えている患者さんの治療にあたるのですが、治療にあたり、診断が非常に大切になってくるわけです。現在の医療体制では臨床検査技師が実施した検査に基づき、医師が診断を行っています。医師の診断を支えているのは臨床検査技師が行っている検査です。臨床検査技師は検査を行うだけでなく、病気のことを深く理解することによって直接診断に関わる存在だと考えています。臨床検査技師は検査が特に重要視される血液系の疾患の治療において、大きな役割を果たすことになります。これから臨床検査技師の活動領域が広がっていくと、より早く病気の診断ができるようになるほか、患者さんにより的確な治療を提供することができるようになると思います。学生のみなさんには、学生のときから検査だけでなくどうやって診断をするのか、どういう治療を行うのかを含めて、トータルで血液検査学を見直してもらいたいと思っています。検査技師も検査だけを知るのではなく、検査のむこうにいる患者さんの状態を知ってもらいたい。そういった思いで授業を行っています。筒井 検査の方法だけでなく、その患者さんの治療なども含めて知ってほしいということですね?齋藤 そうです。そのためには、病気の向こう側の患者さんのことを想像してあたれる医療従事者になってほしいと思っています。筒井 なるほど。ではそこで、Q3 そもそも齋藤先生が血液内科に  すすんだ理由は?A 外科はつらそうだから、患者さん全体を診るような内科医になろうと。診断から治療まで全部みることができるうえに専門性があるため血液内科を選びました。白血病や小児の病気など、比較的長い期間にわたる血液の病気の治療では、患者さんと長い期間関わることになります。血液内科になってからは、患者さんとの関わりが多く、長い期間にわたる関係をつくることができることが良い点だと思っています。筒井 内科医というと患者さんと話すことが多いイメージですが、もとから人と話すことが好きだったのですか?齋藤 そんなことありません(笑)。この間、20年ぶりに同窓会に行ったら「そんなやつじゃなかった。」って言われましたから(笑)。自分がどうして医療従事者になろうと思ったかというと、少しでも人の近くにいることが役目だと思ったからで。教員になってからも、患者さんの気持ちに寄り添い、学生の近くにいることが自分にとってのプライオリティが高いことで、自分の役目だと思っています。その人の気持ちになったり、その人のことを考えたりすることが自分の人生にとって大切なことなのだという気持ちが強くなりました。筒井 先生は今外来での診察も行っているのですよね。学生指導との両立は大変ではないですか?齋藤 時間的には大変ですが、私にとってはどちらもかけがえのないものです。臨床で患者さんに接していることがそのまま学生への指導に活かせるのですね。例えば、患者さんの病気の話を学生に話し、病気の患者さんのことを伝えることができます。そういった意味では教育と臨床は自分のなかでリンクして一致しているのです。筒井 ありがとうございます。では次の質問です。Q1 「血液検査学実習」とはどのような授業ですか?13GU'DAY Issue 08 |

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