群馬大学概要 2019年度版
21/52

線量分布の比較(重粒子線とエックス線)重粒子線医学研究センター重粒子線医学センター 重粒子線加速器を導入し、基礎/臨床放射線医学研究ならびに重粒子線治療技術の高度化研究開発を推進するとともに、この分野を担う臨床腫瘍医、医学物理士、放射線生物学者等の養成を行うことを目的としている。 重粒子線がん治療の臨床試験を推進するとともに、重粒子線治療を含む集学的がん治療の実践により、地域医療から国際医療まで幅広く貢献することを目的としている。教育・研究関連施設等19GUNMA UNIVERSITY 重粒子線医学にかかる研究、教育、診療活動を適正かつ円滑に推進することを目的としている。重粒子線医学推進機構組織図学長運営委員会重粒子線医学推進機構運営会議群馬重粒子線治療運営委員会重粒子線診療重粒子線医学推進機構(県及び本学の共同開催)看護師運営委員会物理学部門医学生物学部門臨床医診療放射線技師医学物理士重粒子線医学研究センター重粒子線医学センター重粒子線医学教育研究重粒子線医学推進機構シンクロトロン加速器 線形加速器から送られた炭素イオンはシンクロトロンの中を周回している間に光速の70%まで加速される。治療室 加速された炭素イオンはここで患者さんに照射される。重粒子線照射中に痛みは感じない。イオン源装置 ここで化学物質の中の炭素原子から炭素イオンが作られる。線形加速器 炭素イオンを主加速器であるシンクロトロンに送り込む前に予備的な加速を行う。 本重粒子線照射施設は、縦横約45m×65m、高さ約20mの建築物で、その中に、重粒子(炭素イオン)を最高で光の70%程度の速度まで加速する直径約20mのシンクロトロン加速器と3治療室ならびに付帯設備を持つ。この治療装置は、重粒子線治療の普及を目指して小型化された最新の装置であり、国際的な注目を集めている。 本学では、群馬県との共同事業として、2006年度にこの施設の建設に着手し、2010年3月に治療を開始し、同年6月から限局性固形がんに対する先進医療を開始した。設置後の運営においては、県内医療機関と連携して、施設を効果的に活用し、群馬医療圏に高度な統合的がん医療体制を構築し、重粒子線照射施設を全国の諸地域に配置する場合の施設活用のモデルとなることを目指している。 2016年4月から、重粒子線治療は切除非適応の骨軟部腫瘍(骨や筋肉、血管、皮下組織などの軟部に発生する腫瘍)、前立腺がん、頭頸部がんが順次保険適用となっている。重粒子線医学センター(重粒子線照射施設)エックス線余分に照射される部分には副作用の心配がある。重粒子線がんの手前の線量は少なく、奥では止まる。↑がん↑がん

元のページ  ../index.html#21

このブックを見る