群馬大学概要 2019年度版
5/52

GU Topic管制・遠隔操縦設備室センター外観前橋市の実証実験に使用した自動運転バスeCOM-10 運転席3GUNMA UNIVERSITY02GU Topic 次 世代モビリティ社会実装研究センター次世代モビリティ社会実装研究センターの挑戦(自動運転の社会実装)0202 次世代モビリティ社会実装研究センター(CRANTS)は、完全自律型自動運転車両をはじめとした次世代の交通手段について研究・開発を行う研究組織です。また、ただ研究・開発を行うだけではなく、それを用いたシステムを社会で実践するために、社会システムの研究・実証・普及を目的としています。 CRANTSの活動を本格化させるための研究施設を文部科学省の地域科学実証拠点整備事業を活用して荒牧キャンパスに建設し、2018年4月から本格的に活動をスタートさせました。 この研究施設には車両整備開発室、管制・遠隔操縦設備室、シミュレーション室など、開発に必要な多くの設備のほか、共同研究を行う企業の方々に利用いただく研究室を備えています。また、公的な研究機関としては国内最大規模の約6,000㎡の専用試験路が併設されており、様々な技術課題に対応した実験を行うことができます。 現在CRANTSでは、これらの設備を利用し、自動運転、低速モビリティなどいくつかの研究プロジェクトを進めておりますが、その中でも特に完全自律型自動運転車両の研究に力を入れています。自動運転の実証実験は群馬県内にとどまらず、これまで全国様々な地域にて20件以上行っています。 各地で行った実証実験の中でも特に特徴的な取組としては、2018年12月から2019年3月まで前橋市・日本中央バス株式会社と協力して行った前橋市での自動運転バスの実証実験運行があげられます。この実験は上毛電鉄中央前橋駅とJR前橋駅を結ぶシャトルバスに自動運転バスを導入するものであり、都市部での長期の自動運転の実証実験は他に例がないうえ、バスの営業路線で運賃収受を行いながらの実証実験は全国初の取組でした。本取組は多くの注目を集めており、国土交通省や経済産業省・各地方自治体・交通事業者など様々な機関の視察があったことに加え、一般市民の方々にも数多く乗車していただきました。 あらゆる所で動作する完全自動運転の実現には、技術的にも、また維持管理・利用者の受容性の観点から社会的にもハードルが高いのが現状です。CRANTSでは、今後限定された地域専用の自動運転技術を開発し、企業・自治体と協力しながら多種多様な実験を実施していくことで、2020年を目処に完全自律型自動運転車を社会実装することを目指していきます。

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る