群馬大学大学院 保健学研究科 保健学専攻 2020
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5カリキュラム編成 本専攻の教育カリキュラムは、1ページの「教育ポリシー」に基づき、看護学領域、生体情報検査科学領域、リハビリテーション学領域の3領域を横断的に連携一体化させた基礎保健学ユニット、応用保健学ユニット、地域・国際保健学ユニットの3つのユニットで構成されています。授業科目はユニットコア科目と専門教育科目からなっています。学生は所属するユニットのユニットコア科目と他領域の専門教育科目を取得することにより、保健学に関する横断的知識・技術を修得することができます。 ユニットコア科目は、保健学の全人的・包括的知識・技術を修得する科目です。 専門教育科目は、専門分野の知識と技術を修得し、高度専門医療人としての能力と研究の基礎能力を向上させるための科目で、必修科目の特論、演習、特別研究及び選択科目からなっています。 特別研究では、主体的な発想、思考や論理の組み立て、成果の分析など研究論文をまとめる能力を涵養し、研究者・教育者や実践の場で優れた指導性を発揮し得る人材を育成します。 高度専門医療職を目指す学生は、以下の専門看護師(CNS)、臨床研究コーディネーター(CRC)、地域完結型看護リーダー、がんプロフェッショナル養成コースの教育課程を受講することができます。専門看護師 高度化・専門分化が進む医療現場において、質の高い看護ケアを効率よく提供する専門看護師(CNS:Certified Nurse Specialist)の資格認定制度があります。現在、がん看護、老人看護など13の専門看護師の分野があり、資格をもつCNSが病院などで活躍しています。CNSになるには日本国の看護師の免許を有し、特定の専門看護分野の実務経験(3年以上)と、教育課程として認可された大学院博士前期(修士)課程での学修が必要です。教育課程には、日本看護系大学協議会が定める専門看護師教育課程基準の所定の単位数が、総計26単位と38単位のコースがあります。本学は群馬県唯一の専門看護師教育機関であり、がん看護・慢性疾患看護・老人看護・母性看護の専門看護師を養成する教育課程が認可され、CNSコースとして大学院教育を行っています。がん看護・老人看護分野は、専門看護師の発展型であるケアとキュアの融合を目指す高度実践専門看護師教育課程(38単位)を実施しており、慢性疾患看護・母性看護分野も2019年に38単位の高度実践専門看護師教育課程の申請を行いました。CNSコース修了生は日本看護協会による資格認定審査に合格してCNSの資格を得ることができます。 平成31年3月までに本学の51名が修了し、がん看護26名、老人看護11名、慢性疾患看護4名、母性看護3名計44名が資格認定審査に合格しました。本学修了生のCNSは病院、診療所、施設、在宅ケア機関等で活躍し、実績を上げています。がん看護コースはe-learningを取り入れながら学習を行っています。臨床研究コーディネーター 新しい治療法や予防法を確立するための科学的根拠は、臨床試験をはじめとした臨床研究から得られます。臨床研究の中核拠点となっている世界の研究医療機関では、臨床研究コーディネーター(CRC)やデータマネージャー(DM)と呼ばれる専門職が活躍して、臨床試験や疫学研究が進められています。質の高い研究を行うには、これら専門職のなかでも高度な知識やスキルを身につけた人材を欠かすことができません。しかし、わが国ではこれらの指導的人材を育てられる教育機関はごくわずかです。群馬大学大学院保健学研究科では、平成13年の大学院設置当初から、臨床研究専門職の指導者養成のための講義や演習を行ってきました。また、臨床研究中核病院などと連携して実践的な演習を含む「CRC管理者養成コース」を開講しています。コース履修者には、「臨床研究プロフェッショナル(臨プロ)」の称号が与えられます。 平成31年3月までに、9名がコースを修了し、臨床研究プロフェッショナルの称号が授与されています。地域完結型看護リーダー 文部科学省の課題解決型高度医療人材養成プロジェクト採択事業(平成26年度~平成30年度)「群馬一丸で育てる地域完結型看護リーダー」では、地域完結型医療・ケアの考え方に立脚した看護実践および教育のできる人材の育成を継続して行っています。 大学院では、博士前期課程に地域完結型看護リーダー養成コースを設けており、平成31年3月までに7名が修了しました。また、履修証明プログラム(非正規課程の120時間の学習プログラム)を設けており、平成31年3月までに27名が修了しました。修了生は、病院や地域の看護職、学生に対して地域完結型看護の知識や技術を浸透させる教育実践者・研究者として活動しています。がんプロフェッショナル養成コース 文部科学省の大学教育再生戦略推進費「多様なニーズに対応するがん専門医療人材(がんプロフェッショナル)養成プラン」採択事業として開講しています。本コースでは、専門家、教育リソースが少ない①がんゲノム医療、②小児・AYA(Adolescent and Young Adult)・希少がん、③がんライフステージ・QOLサポートといった分野の人材養成・教育を行います。全国のがんプロ拠点と連携したEクラウド教育体制を活用し、社会人学生も時間のあるときに学修できる環境を整備しています。平成31年3月に、がんライフ・QOL看護学コース2名、小児・AYAがん看護学コース1名、合計3名が修了しました。保健学専攻博士前期課程前期課程

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