群馬大学 医学部 入学案内 2020
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3座談会医学科長  石崎 泰樹保健学科長 横山 知行医学科5年 磯貝 康太保健学科4年 島田真陽瑠けますか?石崎 研究力のある医療人、もしくは、基礎研究医の育成を目指してMD-PhDコースを設けているということですね。これは、ひと言で説明すると医師と医学博士を並行して目指せるコース。研究に興味のある学生が医学科の授業は通常通り受けて、放課後や夏休み期間中に研究室での活動に参加するというシステムです。大学院の講義の先取り履修もできるのも大きな特徴。群馬大学大学院医学系研究科に入学した場合、学部生時代に履修した科目が単位として認定されます。しかも、MD-PhDコースにエントリーし卒業時にコース修了が認定されれば、大学院に入ったときに、所定の単位を取得したうえで学位論文を完成すると、3年で修了し(※)、医学博士の学位を取得できるという大きなメリットがあります。昨年度、私の研究室で指導した学生の2人は共に3年で医学博士の学位を取得。今は、脳外科の医師として現場で活躍しながらも研究を続けています。※基本的に医学系の大学院は、4年で修了―― 他大学では聞かないシステムですね。石崎 群馬大学独自のものです。本学で学んだ多くの学生さんに大学院に進学して、高度な学びを身につけてほしいということからこのような仕組みを作ったのです。また、学部生の地域貢献という点で近年では、地域の病院での実習を増やしています。今までは臨床の実習先は、群大附属病院が多かったのですが、地域の医療機関がどういうものかを学生のうちに知っていただき、卒業後、そこに就職しやすくなるようという目論見で学外実習を増やしました。―― 保健学科の実際の教育はいかがでしょう?横山 チームワーク医療の実習については、先ほど申し上げたとおりです。ほかに、保健学科の特徴を表すキーワードとして国際と地域が挙げられます。群馬大学では、以前からモンゴルやタイなど発展途上国の大学と一緒に研究協力をしてきました。こちらから教員が出向いて行って指導したり、向こうから学生や教員が来ていただいたりしています。また、地域では、群馬大学は県内唯一の国立大学ですから、地域で活躍できる人材を育てる取り組みをしています。5年ほど前から推し進めているのが、地域での暮らしや看取りまでを見据えた人材育成プログラム「群馬一丸で育てる地域完結型看護リーダー」。これは、文部科学省GP「課題解決型高度医療人材養成プログラム」に申請して、全国66件の申請の中から選ばれたものです。地域で生まれ育って病気になったら地域の病院にかかり、場合によっては自宅でそれをフォローする、つまり自分が一番住み慣れたところで一生過ごすために、私たち医療人がどういうことができるか、どうやったらそれを進めていけるかを、特に看護が中心となって、教育や卒後の研修にあたっています。―― 全国的にも早い段階で専門看護師の育成にも取り組んでいますね。横山 4年制を卒業した段階では、まだスタートライン。その上で専門分野を作って、自分を生かした専門性を高めていくためには、より高度な教育が必要です。その仕組みのひとつに専門看護師という資格があります。群馬大学は、県内唯一の専門看護師教育機関。全国的にも早くから取り組んでいます。現在、がん・慢性疾患・老年・母性という4つの領域で実践しています。全国に先駆けて専門看護師の教育を行うことで、今もたくさんの看護師が群馬大学で自分の専門性を高めて実際の現場で活躍しています。県内から入ってくれる看護師が比較的多いので、地域貢献という意味でも役に立っているのではないでしょうか。

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