群馬大学 医学部 入学案内 2020
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6医学部医学科5年磯貝 康太 (いそがい こうた)平成27年 群馬県立高崎高等学校卒業平成27年 群馬大学医学部医学科入学Gunma University Faculty of Medicine 群馬大学医学部の強みを生かした次世代教育ですね。横山 しばらく前ですが、文科省からミッションの再定義というのがありました。全国にある保健医療系の国立42大学を8のグループに分けたのですが、群馬大学は、千葉大学、東北大学、筑波大学などとともに「実践科学の学術的追求を通じた次世代指導者・教育者・研究者養成」というグループになりました。単に地域で活躍する人材を育成するだけでなくて、そこからさらに全国や世界に発信できる研究者や教育者を育てなさい、というグループに選ばれたのです。ですから、私たちは単に群馬県で活躍する医療人に留まらず、さらにその上、それぞれの専門分野で引っ張っていけるリーダーになってほしいですね。実際に、群馬県は保健医療系の大学が多いです。看護では7大学、リハビリも4校。全国的に見ても、この県の規模でこれだけ医療系の大学があるのは珍しいのです。その中で群馬大学の卒業生に、今後、何を求められるか、と言うとやはりリーダーなんですね。各医療機関で引っ張っていく、そのためには自分の専門職を磨くのはもちろんですが、スタッフをまとめていくコミュニケーション能力やチームワーク医療ができる能力を、ぜひ身につけていただきたい。その手助けが少しでもできればと思っています。―― 愛のある、そして次世代リーダーを期待するという話がありましたが、期待に応えられそうですか?磯貝 大丈夫です。島田 はい、頑張ります。広く深い知識を活用し国際看護のリーダーに―― では、将来の夢を教えてください。磯貝 入学したときは、総合診療に憧れていたのですが、いざ入っていろいろな科を回ってみるとどこの先生もみんなカッコよく見えてしまって。でも、どこの科に行っても目の前の患者さんを助けられるようになりたいと思います。今は、学生でまだ専門知識もないので広く、そして深く、いろ学生のうちから学ぶ職種ごとに異なる視点全部署で医療安全に尽力―― その教育は学生さんにとってどんなメリットがあると実感していますか? 磯貝 チームワーク実習をすることで、学生のうちから職種ごとの異なる視点を学べます。これはよい勉強になっていると思います。島田 私の実習グループは、医学科も薬学部の方もいましたので、実際にほかの職種の考えに触れることができました。医療事故についてどう考えるか、というテーマでディスカッションをしたときに印象に残っているのは、それぞれの職種の視点で意見が出てきたこと。実習では、みんなで病院に行き、いろいろな部署を見学しました。普段看護の実習では見ない薬剤部や医事課など、患者さんと直接触れ合うのではなく、病院を裏で支える部署でも医療安全のための取り組みをしていることや、気を付けていることが見られて興味深かったし、大変勉強になりました。愛ある医療人にみんなを引っ張り、まとめるリーダーに―― 先生方から、次世代を担う群大医学部学生さんに、どんなことを期待していますか?石崎 昨年の4月に東京で閣僚級世界患者安全サミットが開催されました。これは、各国や国際機関のリーダーに医療安全(Patient Safery)の重要性を浸透させることを目的としたもので、アジアで初めて、日本で開催されました。ここに参加された方の一部をお招きして、群馬会館でシンポジウムを開催し、Patient Safetyについてお話をいただきました。その中でイギリスのPatient Safetyの重鎮であるマイク・ダーキン先生が「最終的に医療の質を確保する秘訣は『愛』だ」とおっしゃったことが非常に印象に残っています。ですから、私が期待する次世代を担う群大医学部学生には、愛のある医療人になってほしい、ということ医学部附属病院もそうですが、それ以外に県内の保健医療機関に出向いて、実際の症例を見たり、現場で働いている職員と一緒にディスカッションしたりしながら、どういうチームワーク医療が必要なのか、現場でどういうことがなされているのか、身をもって体験します。その後、それを大学に持ち帰って発表会を開きます。この一連を半年かけてやるわけですが、実際に体験としてチーム医療を学んでいくのは素晴らしい方法だと思っています。―― 最近では、グループに医学科の学生さんにも加わっていただいていますね。横山 そうなんです。医学科は人数が多いので、残念ながら全員が実習に行くところまでできないのですが、何らかのかたちで全員がチームワーク実習に行けるような仕組みができるともっといいと思いますね。2年前からは、高崎健康福祉大学の薬学部の学生さんにも入っていただいています。薬剤師さんもチームワーク医療には欠かせない存在ですからね。保健、薬学、医学で、さらに素晴らしいチームワーク医療ができるのではないかと期待しています。

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