『突然失礼致します!』をするうえでよかったことや難しかったこと福井:『突然失礼致します!』の制作を企画段階からやってみて、難しかったことや追い風になったことなどがあれば聞きたいな。熊谷:映画サークルって実際はかなり閉鎖的で、他大学との交流がないんだよね。今回この企画をやって、初めて他大の映画サークルと話すという人がたくさんいたくらい。映画部は通常4〜5月で部員を集めて、6月から撮影を開始し、それが終わったら文化祭での上映に向けて準備をし、先輩を送り出す。このサイクルがコロナのせいで断ち切られてしまった。コロナ禍だからこそ、全国の映画サークル同士が手と手を取り合えたと感じた。映画制作をやりたくてもできなかった。だけど創作性は途絶えてなかった。『突然失礼致します!』は行動が先行して、後から企画書ができるというイレギュラーな流れだったから、著作権処理の問題など詰めが甘い部分もあったわけだよ。さまざまな分野に長けた有識者が多くいたことが助けられた点だね。ある意味よかった点でもあるかもしれない。福井:熱意がある人も多かったけど、コロナで映画を作りたくても作れない人も多くて、途中で撮れなくなったことが本当に多かったね。リモートだとつなぎ止めは難しいよね。顔を合わせることの大切さを感じたね。熊谷:一度も顔合わせをしていないのはすごいよね。群馬から出てないわけ。それに、普通だったら絶対知り合えない人たちと知り合えた。それは大きいね。ここ、地方だし。ここで知り合いを増やすのは結構至難の技なのに、全国の人と知り合えた。これから全国を回る楽しみもできたね。福井:コロナ禍だからこそリモートの強さも知ったね。熊谷:今の学生ってここまでできるんだって感じたね。最初は僕らの思いつきに賛同してくれる人たちが集まってきたのが、だんだんエキスパート集団になって、文章制作や広報などの、それぞれの分野に長けた人が出てきた。それがコロナ禍だからこその難しかったことと良かったことかな。福井さんはどうだった?福井:良かったことが多かったと思う。ただ、本来だったら劇場公開も年内にできたはずなんだけど、コロナウイルス感染拡大の動向をみながら、どう活動を展開していくかについて頭を悩ませたな。 残りの学生生活について福井:熊谷は去年編入生として入って来たばかりで、学生生活で足りないこともあるかもしれないけど、残りの時間はどう過ごしたい?熊谷:就活と『突然失礼致します!』のプロジェクトを同時並行でやっていくのがこれからの展望の一つ。この企画は大学生活4年間を映画制作にささげた人が集大成としてやるようなことだと思っていたんだけど、僕らは最初に成し遂げてしまった感じがあるんだよね。だから「これぞ学生映画」というものを作りたい。それから、大学生だからこそできることをやってみたい。例えば以前ヒッチハイクをしながら日本一周ではなく縦断をしたんだけど、今度は一周まわってみたいね。あわよくば世界一周を。15GU'DAY Issue 09 |
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