力が輝いていける時代にしなければいけない。学生映画の位置は低い。福井:学生賞を目指したり、短期的だったりね。熊谷:学生映画はクオリティが低いと思われているから一般に見られていないだけで、実際はそうではないと思ってる。学生映画の中にも粗削りだとしても間違いなく面白いものはあるよ。ただ、学生映画は学生映画賞への出展ありきで動いていると思う。作った後のことは考えていない。映画の本質は大衆娯楽だから、見られる人に見られなければならない。そこにあぐらをかき続けたことが、学生映画がここまで閉鎖的になった原因だと思う。これをオープンにしていかなくてはいけないわけですよ。そういう点に於いてこの作品はすごい試金石になったと思う。福井:ネットが広がってきているから、公開した映画がどれだけ見られるようになるかを伸ばしてゆく必要があるだろうね。熊谷:予算をかけた大型の映画の中にも、ネットで先行公開するものも出てきているから、今後もこの流れは加速してゆく。学生映画にとってもこれはチャンスだ。いかに生かしていくかだね。『突然失礼致します!』と同じようなものをやる亜流が出てきてもいいわけですよ。それが業界を救うことになるわけですよ。福井:業界も変わってきている。ずっとランキング1位を独占していた昔の映画が最近の作品に塗り替えられている。熊谷:変革の時期が訪れているわけですよ。映画に関してだけではなくて、エンターテイメント全体においても同じことがいえる。僕も若輩者でよくわかっていないんだけど、今後どうなっていくか楽しみだし、携わっていきたいと思っている。福井:ネット公開しかり、コミュニケーションの面から群馬大学新情報学部の役割にも期待したい。 映画部の今後などについて福井:映画部を今後後輩に託していく立場としてどう考えている?熊谷:狭い界隈だと思うけど、日本の大学映画部という界隈の中だと、群馬大学映画部は新進気鋭になったと思う。誰かしらこの取り組みを継ぎたい人が出てくると思う。そういった方々がいたら、僕が持っているノウハウを渡しますね。歴史は塗り替えられて初めて成立するものだと思っていて、僕よりすごい人は今後出てくる。彼らが出てくることを期待しています。福井:先輩の持っているノウハウを吸い込んだら強くなる。この映画を通じて群馬大学映画部の1期生としてノウハウを積むことができたから、2期、3期と引き続きノウハウを積んでいってもらいたい。何人か新入生も入ってきているから、この流れをつなげていきたいよね。熊谷:オンリーワンになってほしい。ルーティンが続くことがイヤ、奇想天外なことをひたすらやっていくというのがいい。うまくやってくれる後継者を探し出さないとね。この大学の寛容さに学生がこたえていない。いわゆる安定志向の方が多いイメージがある。これから新学部ができるわけなので、それがいい風になって欲しい。福井:社会情報学部は全国の国立でも唯一の先進的な学部だったから、無くなるのは残念だね。社会情報学部の特徴が活かしきれなかったのは学生側の責任でもあると思うし。熊谷:だから在学生が最後の輝きを見せてほしい。一風変わった人が入ってくる、その流れは作りたいね。福井:やりたいことが無い人も何でも学べるのが社会情報学部の良い所だったから、そこが使えれば素晴らしいけど。熊谷:やりたいことが何でもできる学部にやりたい人が何も無い人が入ってきている。やりたいことが見つけられない人は、結局卒業までやりたいことを見つけられない。この先の躍進に期待ですね。映画部だけでなく、群馬大学の躍進にも期待しています。 後輩・読者の方へメッセージ福井:では、最後にメッセージを。熊谷:後輩の皆さんに。学生のうちは何度もトライ&エラーできるんだよね。何やっても1回目なら笑って許されるんだよ。なので、この期間を有意義に過ごしてほしい。学生生活が終わった後、後悔しないでほしい。「あのとき、あれやっておけばよかったな」と思うのは、人生的に痛いですよね。なので、本当にやりたいと思ったことはやって欲しい。頑張ればできますから。僕は映画という切り口からこんなことをやりました。きっと僕よりすごい発想を持った人がたくさんいるんですよ。だから、やりたいとおもったらまず、やりましょう。それが1番です。周りに流されないでください。それと、読者の方へ。学生が変なことをやろうとしていたら、笑って許してやってください。間違いがあるかもしれませんが、あきらかな間違いは叱ってやって、それ以外は応援してあげてください。それが学生生活を送った自分が言えることです。この大学はすごく恵まれていると思うので、学生が思いつきで話したことをほめてあげてください。それがきっといい結果を生みます。福井:今、群馬大学は変革期だと思います。今ある4つの学部のうち、共同教育学部は昨年設置されたものですし、来年は理工学部が改組され、情報学部が誕生します。群馬大学の学部は、全て変わってきたブランドです。先生方は研究で躍進されていくと思いますが、群馬大学の学生は群馬大学卒業後、社会で活躍してゆくものだと思っています。在学生に群馬大学の伝統を背負って塗り替えていってほしいと思っています。特に新情報学部を志望する学生の新しいエネルギーに期待したいです。※ディレクションとは:社会情報学部は入学後、進路希望に応じた3つのディレクション(メディアと文化、公務と法律、経済と経営)の中から、自ら学修を深めるべき方向性を決めるディレクション制をとっている。 https://www.si.gunma-u.ac.jp/about/17GU'DAY Issue 09 |
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