群馬大学広報誌 GU’DAY(グッデイ) 2021 Winter
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02一昔前のパソコンは机の上に置いて使うデスクトップパソコンが主流でした。以前のデスクトップパソコンは、数十万円以上するような重くて大きい、非常に高価なものでした。今は処理速度が早くて安価な、どこにでも持ち歩ける小型のノートパソコンが主流となっています。以前は携帯端末といえば携帯電話が主流でしたが、現在の主流はスマートフォンです。スマートフォンでは電話やインターネットはもちろん、カメラ、電子手帳、書籍、ゲーム機、GPSナビ、電子マネーの決済など、様々なことができるようになっています。我々の生活がこのように便利になってきている理由の1つとして、パソコンやスマホの頭脳であるCPU (Central Processing Unit)と呼ばれる中央演算処理装置が高性能化・小型化・低価格化していることが挙げられます。Intelの創業者のひとりであるゴードン・ムーアは、1965年に 「ムーアの法則」と呼ばれる将来予測を提唱しました。ムーアの法則とは、「半導体の集積率は18か月で2倍になる」という半導体業界の経験則です。言い換えると、1年半後には同じサイズで2倍の性能のCPUになるということです。例えば、現在の最新スマートフォンのCPUでは、CPUの中の電気信号が流れる配線の幅は10nm以下になっています。人の髪の毛の太さは100μm弱なので、髪の毛の1万分の1より細いことになります。「ムーアの法則」に従えば、この先さらなる半導体の小型化が期待できますが、いずれは電子が流れにくくなったり、加工が難しくなったりするなど、技術の限界を迎えます。半導体業界全体で必死に技術の延命を図ろうとしていますが、限界を迎えた先に向けた取り組みも盛んです。その取り組みの一つが、MEMS(メムス)、あるいは、マイクロマシンです。ムーアの法則とその限界研究紹介28| GU'DAY Issue 09

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