群馬大学広報誌 GU’DAY(グッデイ) 2021 Winter
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0506みなさんも新型コロナウイルスの診断方法として、PCR法の名称を聞いたことがあると思います。PCR(Polymerase Chain Reaction)法は患者から採取した検体からDNA遺伝子を抽出し、ウイルス関連遺伝子を増幅することにより、遺伝子の特徴的な結合能力を利用して検出する診断方法です。現状では臨床検査技師の手作業であるため、一件の検査に4時間程度かかり、検査可能数が限られています。PCR検査を自動化し、短時間で検査を実施することができるようになれば、新型コロナウイルス感染拡大を防ぐことができるかもしれません。MEMS・マイクロマシンを使ってこれらの診断を自動化しようする取り組みもされており、これをLab on a Chipと言います。直訳すればチップの上の実験室、すなわち『手のひらにのる実験室』です。半導体製造技術の応用により、様々な機能をチップに集積化することができます。こちらの漫画は私の研究室で研究中の内容です。これまで手作業で行っていた染色体診断や細胞診断をより早く、より簡単に、より高感度に実施することが期待されています。臨床検査とMEMS・マイクロマシン研究紹介このグラフは、アメリカ合衆国の代表的な株価指数である「ダウ平均株価」の変遷を表しています。社会状況によって上下動がありますが、全体的なトレンドを見ると、1945年頃から上昇と停滞を一定間隔で繰り返していることが分かります。大きな機械からIT基礎、IT応用の流れがあった中で、次の大きな技術動向の波は何であるかを探ることが重要です。私の研究では、MEMS・マイクロマシンによるバイオ・環境・IoT応用など、Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標、SDGs)に関連した研究を進めています。IoT社会向けのエネルギー開発などにおいて、県内に多く存在する様々な半導体関連企業と連携し、社会に貢献したいと考えています。最後に30| GU'DAY Issue 09

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