群馬大学広報誌 GU’DAY(グッデイ) 2021 Winter
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    アカペラに出会ったきっかけを教えてください。サークル活動として楽しそうだと思って。ずっとクラシック音楽をやっていて、ポップス音楽とは無縁だったので、大学でやってみたいと思いました。ジャズシンガーとして活動している憧れの先輩がVoice Creamに入っていたので、憧れもありました。    アカペラバンド“ho-op”での活動で一番印象に残っていることは何ですか?最後の大会で優勝したときの景色ですね。駆け出しで歌手活動をしているだけでは立てないような、2000人位観客がいるライブハウスで歌ったので。最後の大会は4年間の集大成だったので、「優勝して嬉しい」という感動よりも「ああ、やっとできたんだ」という達成感が大きく、肩の荷が降りた感じがしました。「優勝したい」というプレッシャーをずっと感じていたので、「優勝してラッキー」という気持ちではなくて、「優勝できて一安心」という感じでした。涙が出るというよりは、グッと噛みしめるような感じでしたね。    どのようなところにクラシックとポップスの両立の難しさを感じていましたか?大学の先生にも大学以外の先生にも「ポップスはやめた方がいい」と言われ続けていて。やっと体の使い方などの大まかなところは一緒だって気付き始めたんですけど、細かく見ていくとポップスとクラシックでは全然違うので。ポップスをやるとクラシックの技術が戻ってしまうし、クラシックをやりすぎるとポップスの技術が戻ってしまう。クラシックをやりすぎてポップスに大きな支障が出たことはないですけれど、逆はあったので、少し葛藤がありました。人に「やめろ」って言われたらやめたくなくなるっていうか。だからこそ、ポップスをやったことがクラシックに悪い影響を与えないようにするために、「クラシックはクラシックでやるぞ」という気持ちで活動していました。アカペラの活動が軌道に乗って、大学3年生の終わりに大会に出させてもらえるようになってからは「アカペラもやめられないぞ」っていう気持ちでいました。もしアカペラがフェードアウトしていたら、3・4年生で教育実習が始まって、将来もクラシックをやろうってなっていたかもしれないんですけど。大学3年生の冬が転機でしたね。    クラシックとポップス音楽の共通点は何ですか?クラシックとポップスの共通点は表現力ですかね。大まかにいうと、全身を使って表現するところが同じだと思いました。クラシックをやっていたからこそ、ポップスの時も足の先から頭の先まで全部を意識して歌うようになったと思います。あとはクラシックをやっていたおかげで色々な知識をメンバーに共有することができたので、私自身も勉強になりました。よく私のグループは、オーケストラの弦楽器のような感じで、クラシックっぽいって言われるんです。実際に、吹奏楽というよりは、オーケストラの響きや流れを意識していました。大学でちょっとだけバイオリンもやっていたので、それも活かされました。    コラボのよさは何ですか?YouTubeに上げた動画でコラボした方は、自分にないところをたくさん持っているので、コラボした時にたくさん気付きがあるところですね。相手のシンガーにもファンがいらっしゃるので、お互いのファンに知ってもらえるというところもいいところです。8| GU'DAY Issue 09

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