群馬大学広報誌 GU’DAY(グッデイ) 2021 Summer
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研究紹介02BPSDは「認知症の行動・心理症状」です。行動症状には徘徊、焦燥/攻撃性、介護に対する抵抗などがあり、心理症状には、妄想、誤認、幻覚、抑うつ、不眠、不安などがあります。BPSDは介護者にとって負担がかかる症状ですが、患者さん本人からみれば「困っている」のメッセージです。BPSDの発生要因は記憶障害などの認知症状のほか、薬剤や体調、環境、ケアや対応、生活状況などの多様な要因が影響しています。したがって、BPSDに対して私たちは認知症の患者さんを包括的に観てケアを考える必要があるのです。そこで私たちは、「包括的BPSDケアシステム®」を開発しました。BPSDとは03「包括的BPSDケアシステム®」は、BPSDをもつ患者さんを包括的に観察し、それに応じたケアを実施、評価することを一体化したものです。電子版のシステムの柱となるものは「BPSD」、「生活・セルフケア行動」、「その人らしさ」、「介護者」です。具体的な観察項目は合計18項目です。「BPSD」には笑顔、心理症状、行動症状があり、「生活・セルフケア行動」には入浴、食事、トイレでの排泄など、「その人らしさ」には、外見の保持、あいさつなど、「介護者」には受容、接し方、疲労の様子などがあります。「包括的BPSDケアシステム®」とは17GU'DAY Issue 10 |

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