群馬大学広報誌 GU’DAY(グッデイ) 2021 Autumn
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このコーナーの取材を担当した学生広報大使共同教育学部教育専攻 2年【出身】群馬県【出身高校】高崎女子高等学校私自身、ゼミ(研究室)というものについて知らないことが多かったため、取材できて良かったです。1年生や2年生のゼミ(研究室)選びに役立てばと思います。和田山 愛鈴 私自身がよく知らない分野を取り上げてくれる学生が多いので、そういったことを教えてもらい、学べることが大きなメリットだと思います。論文を一緒に読んだりしますが、自分の関心だけだったら読まない分野だったりするので刺激になります。 色々なことに手を出しているんですけど、主にやっているのは、日本に暮らしている、外国につながる子どもの教育です。エスニックマイノリティ、民族的少数派という言い方もしますが、マイノリティの立場とマジョリティの立場をどう結び付けていくのかですね。マイノリティ側から見たときに、どういう風に状況が捉えられるのか、どういう問題を抱えているのかは、なかなかマジョリティ側に伝わらないんです。なので、マイノリティの立場から問題の状況を捉えて、それをマジョリティ側に伝えていきながら、問題の解決に向けた方策を導いていけたらよいと思っています。 特に今は、「外国につながる子どもたちの進路保障」の研究に力を入れています。日本に暮らす外国籍の子どもたちには色々な子たちがいますが、中国国籍の子どもが人数的には一番多いです。中国国籍の子どもたちは、割と親御さんが高階層の方が多いんですね。一方、ブラジルやフィリピンから来ている子どもたちは、親御さんも出稼ぎ目的で来日しているため、仕事も目いっぱいやっていて、ギリギリの生活をしているんです。親御さんも日本語が達者ではないことが多いため、教育達成の面で不利を抱えがちです。教育達成の面で不利を抱えやすい、日本で暮らしている外国籍の人達、特にブラジルやフィリピン、ペルーの子どもたちを対象に、学校や教育委員会に留まらず、NPOなどを対象とした研究を進めていきたいと思っています。 私の研究室で学ぶ教育社会学だけに限らず、「証拠に基づいて問題を考える力」が身に付くことだと思います。 教育に対して、学生はそれまでの自身の経験に基づき、自分なりの考えを持っていると思います。そのため、すぐ「こうすべきだ」という断定的な考えを持ちがちですが、その考えは、その人個人の限られた教育体験でしかありません。全般的な状況や実際のところどうなのかをきちんと考え、確かめることのできる力を身につけることができるのではないかと思っています。Q先生と学生で卒論を進めていくメリットはありますか?Q今後新藤先生が力を入れていきたい研究は何ですか?Q新藤先生が考える、教育社会学を研究室で大学生が学ぶ意義を教えてください。教育学部教育専攻 4年【出身】埼玉県【出身高校】星野高等学校普段はあまり知ることのできない、研究室において大切にされていることや学生時代のお話を聞くことができ、貴重な経験となりました。この記事を読んで、少しでも群大の研究室について知っていただけたら嬉しいです!島田 咲羽“IMADOKI” TEACHING高校生GU'DAY 05

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