群馬大学 大学案内 2023
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板■■橋■■英■■之■■今まで世の中にはたくさんの課題があったので、それを解決するということが社会の使命でした。しかし、これからは問題さえ見つかっていればおそらくAIが解決するでしょう。過去から現在までの膨大な解決の歴史をAIに入れ込めば、彼らが学習して彼らの方が早く答えを導くことができる。これからの時代は課題を解決するよりも新しい課題を見つける、発見する。つまり、0から1を生み出すような人材が必要になってきます。そうなると、今までと同じような教育をしていてはダメだし、なおかつ同じような考えやバックグラウンドを持った人たちだけがいてもダメです。やはり新しいものを生むためには、いろいろな人たちのかけ算、多様なアイデアを持った学生たちのかけ算が必要になってくる。そのためには、多様な人たちに入学してもらう仕組みが必要です。そこで、多様な人たちに入学してもらうにはどうしたら良いか、その仕組みを真剣に考える組織としてアドミッションセンターを設置しました。群大アドミッションセンターは「入試」だけでなく「高大連携」と「学生募集広報」の機能も担っています。多様な学生が入学するためにはまず「群馬大学に行きたい」という学生を増やさなければなりません。そのためには、「群馬大学ではこんな教育・研究をしています」「群馬大学に入学するとこんなに良いことがあります」というのをきちんと説明する必要がある。このセンターの設置により、今までは学部ごとにあった高校に対する窓口を一本化して、全学体制で群馬大学の魅力を発信できるようになります。また、これからは「高大連携」がとても重要になると考えています。問題発見型の人材を育成するためには、できるだけ早い段階から豊かな発想を引き出す教育を行う必要があり、高校では「総合的な学習(探究)の時間」で生徒全員が探究活動をすることになります。しかしこれまで多くの高校では「探究」という取り組みを行ってきませんでした。一方大学では、卒業研究や修士・博士研究を通して日常的に探究活動を行っています。そこで高校と大学が連携すれば、高校での探究活動がより充実したものになり、生徒も将来自分がやりたいことが見えてくるはずです。また、探究活動を通して「群大には面白い研究をしている先生がいる」ということを知ってもらい、大学の方でも「こんな探究活動に取り組んでいる生徒がいる」ということを知ることができる。高校の先生とも密に情報交換ができるようになります。4群馬大学GUNMA UNIVERSITY CAMPUS GUIDE 2023TOPICProfile群馬県桐生市出身、群馬大学工学部卒業。筑波大学大学院博士課程修了。理学博士。筑波大学助手、群馬大学助手・助教授を経て2004年から教授。2009年から2013年まで工学部長・大学院工学研究科長。2021年から副学長。2017年に群馬大学発ベンチャー「株式会社グッドアイ」を設立し、同社取締役会長も務める。趣味は野球観戦で、人生で最も影響を受けた人物は大学時代の恩師・赤岩英夫先生(第9代群馬大学長)。「人生の価値は積分値(面積)で決まる」をモットーにしている。「問題解決」だけではAIに勝てない「高大連携」「学生募集広報」も持つ強み〜センター長インタビュー〜群馬大学アドミッションセンター長副学長多様な人材の『アドミッション』に 1

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